松坂世代 (河出文庫 や 18-1)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408194

感想・レビュー・書評

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  • 1998年夏の甲子園、横浜高校松坂大輔という太陽の輝き。同級生達はどのようにその後の人生を生きていくか。世代をテーマに球児たちを追ったノンフィクション。

    1980年生まれの高校時代の野球部員で甲子園を目指したのは4万2551人だという。その頂点が松坂大輔。本書は松坂世代のその後を描く。2003年、高卒から5年目、大卒組がちょうどプロ入りした時点の記録。

    松坂と出会ったことで運命が変わる。時に刺激、時に挫折。亜大から巨人入りする木佐貫、早大からダイエー入りする和田。本書の時点で既に野球を諦める球児もいる。PL学園から立大、今は日テレのアナウンサーの上重聡など。

    筆者は最近、本書の続編、「松坂世代それから」を上梓。あれから20年、定点観測として面白い。

    自分は松坂世代とKK 世代の中間。早くに世に出てその後伸び悩んだり、地道な努力が突如開花したり、人生を競走とするなら本書の内容は身に染みる。だから本書の登場人物それぞれを応援する。

    松坂は言ってみれば、いつまでたっても休まないウサギだという。カメが一歩一歩を着実に歩いても追いつけない。努力の及ばない才能もある。

    松坂大輔、既に40歳。世代のトップランナーもそろそろ終盤戦。そんな時期だからこそ、読む価値のある一冊。続編も面白くさらなる続続編にも期待したい。

  • 内田和夫先生

    甲子園を沸かせ、今は大リーグで活躍する松坂大輔。彼と同世代の球児たちは、野球をめぐる運命の綾にある種翻弄される。そうした青年ひとりひとりの物語のドキュメント。
    プロにいけなかった人生も多数登場する。平凡に見えても越えなければならない波頭はそれぞれの人生に確実にある、と自覚するにいたった二十歳へと、勇気を送る本だ。

  • 木佐貫って松坂世代なんだね。
    読むまで知らなかった(

  •  一応、私も松坂世代で過ごしています。

     当時、高校生の中では目立った選手たちも大学、社会人などで伸

    び悩む姿、逆に野球、またはそれ以外の分野で才能を開花する元球

    児たちの姿が印象的です。

     著書に出てくる、PL学園智弁和歌山とは遠征で試合も組んだ経験

    があり(試合は出れませんでしたが)、グランドやユニフォームを

    思い浮かべながら読みました。

     同級生全員をひとくくりに「松坂世代」とよばせ、周囲をある程

    度納得させてしまう凄さはやはり松坂選手だと思います。

     私が特に興味を惹かれたのは、横浜高校とPL学園の松坂・上重以

    外の選手(プロにいってない選手)です。

  • 同じ年代の生まれとして、とにかく刺激をいけることのできる一冊でした。
    また、ライバルは大きく成長させるということ。人間関係の大切さを感じることが出来た。

  • (文庫 - 2006/10/5)

  • スポーツには「この時代に生きていて良かった」と思わせる時が度々あって、
    僕のそれの一つは、98年夏の甲子園を目の当たりにした時でした。



    松坂本人ではなく、松坂の周りにいた野球人たちが、
    あの98年夏の甲子園の後、どのような道を辿ってきたかを描いたもの。
    殆どが高校に入るところから大学卒業あたりまでを追っています。



    一人もんのすごい輝いているヤツがいて、そいつに近づこうとするのか、
    それともあえて距離を置くのか。
    色々な人生を見ることが出来る。



    たった数年、しかも成人前後のそれだけど、だからこそ濃い。
    球児たちにとってはいくつかの進路がある中でどれか一つを選ぶ重要な時。
    濃いです。



    彼らにとって、松坂はどんな存在だったのか。
    必ずしも追うべき存在ではなかったところが、この本の面白さかな。

  • こんな本もありなんだね。普段応援している選手の背景が分かることがなかなか面白い。これからのプロ野球がさらに楽しめそう。人間臭いドラマこそが野球よね。

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著者プロフィール

1966年、山梨県生まれ。
出版社勤務を経て、’94年にフリーライターとして独立。
プロ・アマを問わず野球界を幅広く取材している。
『松坂世代』(河出書房新社)、『遊撃手論』(PHP研究所)、『元・巨人』(ザ・マサダ)など、著書多数。

「2015年 『PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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