- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309410517
作品紹介・あらすじ
本当の王子はどこに? ……十三歳の誕生日。スワンは立て続けに三人の少年から“王子”に間違えられた。王子は〈超(リープ)〉中に事故にあい、行方不明になっているという。〈超〉人気作、待望の文庫化!
感想・レビュー・書評
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再読。環境汚染が激化して植物は変異し光合成で二酸化炭素を吐くようになり、地球上には住めなくなって移住した先のコロニーで植物を再生するのに「王子」と呼ばれる人体を使っている世界。人体と言いつつそれに特化した新人類みたいな感じだけど、長野さんのディストピア作品でした。
自覚ないまま植物を繁らせて3人の「ピエロ-α」を名乗る少年に「王子」だと付き纏われる少年だけど、そうきましたか…となりました。
繁らせる植物が作品オリジナルのものばかりで想像するしかないですが、引き抜いたら血液じゃなくて乳液が出るの、王子はほんと植物なんだなと思います。動いて思考して喋るけど。。
解説が千葉雅也さんでした。長野作品を愛好する男性のお話は興味深かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男女という性の境を感じさせない長野先生ワールド全開の植物を擬人化させたような物語。
王子とピエロの関係、良いね。 -
超、少年!王子の圧倒的存在感。平伏しちゃうね。
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うーむ。多分、ストーリーのあらすじとしては難しくないのだろうけど、SFチックな言い回しや植物の学術的な解説などがふんだんで、理解がついて行けなかった。幻想的で超常的な雰囲気は堪能しました。
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中高生位に図書館で借りたときには、最初の方でなかなか世界に入り込めなくて挫折しましたが、10年以上経ってようやく全て読めました。
絶滅植物を培養する王子をめぐる3人のピエロの話なのですが、主人公スワンとα(アルファ)かなぁと思ったら兄カイトでしたね(ぼやかしていうと)。泣くのに理由なんて要らない…の行はじんときました。
長野さんの作品はアレだけど、言葉の表現が好きです。あのふわっとした感じが。だから、例外的に読めるのだと思います。
解説に出てきた稲垣足歩。まだ読んだことがないので気になりました。 -
長野まゆみ先生の作品には読み始めるといつもその発想に驚かされて感動して、読み終わった後にはその全てに納得させられることが多いです。題名通りの「超少年」。長野先生ならではの少年たちが織り成す物語はその特殊性も相まって言葉にしがたい感覚があります。いってしまえばこのお話は覗き穴からそっと覗いているような、そんな感覚でした。植物の仕組みを少年に組み込み少年は植物のような瑞々しさを持ちふわっとその花の香りが香ってくるような、そんな感覚を味わえる1冊です。
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長野作品のなかでも好き。兄がいい。