M/D 上---マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究 (河出文庫)
- 河出書房新社 (2011年8月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309410968
作品紹介・あらすじ
東京大学における伝説の講義が、ついに文庫化。時代により変遷を重ねたマイルスの音楽世界を、理論はもとよりファッション、映画など、ジャンル横断的に論じた比較文化的マイルス論の決定版。上巻は誕生からエレクトリック期前夜まで。文庫オリジナル座談会には中山康樹氏も参加。
感想・レビュー・書評
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「東京大学のアルバートアイラー」の拡大版と言っていいだろう。上巻を読んだもののマイルスの自叙伝ほどの感慨はなく。付録の様々な論文も楽論に終始しているので飛ばしてしまった。面白かったのはマイルスのファッションについて位か。
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マイルスが”マイルス”になっていく過程が、ミュージシャンならではの勝手な共感の元にうまく解釈されていて面白い。リディアン・クロマチックと濱瀬理論によるそれぞれの『ソーラー』の分析が付録についていて貴重。
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第1章 マイルス・デューイ・デイヴィス三世誕生―1926‐1944(マイルス・デイヴィスの二〇世紀;イースト・セントルイスのセンチメント)
第2章 ニューヨークの速度とビ・バップ―1945‐1955(都市/速度/スウィーツ;パリのリュクスと青春の高揚/失望)
第3章 メジャー・デビュー、帝王の完成―1956‐1965(メジャー・デビューとオリジナル・クインテット;アンビヴァレント・アメリカの一九五〇年代;“都市音楽”から“汎都市音楽”へ;レヴォリューション/モード・チェンジ)
著者:菊地成孔(1963-、銚子市、ジャズミュージシャン)、大谷能生(1972-、八戸市、評論家) -
とにかくボリューミー。しかも上下巻。何度も怯んだけれど、ファッション、楽理、精神分析、交友録、ライバル関係など、あらゆる観点からマイルス・デイヴィスという人を分析していて飽きない。なによりこの人を論じるということは、ポピュラー音楽史を論じることでもあるのだからこの分量はさもありなんと納得。
個人的に、上巻でもっとも衝撃的だったのは、ノラ・ジョーンズがあの、ビートルズも私淑した伝説のインド音楽家ラビ・シャンカールの隠し子かもしれないという説。こんなトリビアも満載。 -
持っているのは文庫ではなく(ご本人曰く)レンガのようなハードカバーの本です。
まず装丁の美しさは、持っている本の中ではダントツかもしれません。
読み応えは十分。
楽器や音楽の経験があったほうがのみこみやすいかもしれませんが、そうでなくてもジャズの巨星MD(マイルス・デイビス)がより面白く、そして身近に感じられることでしょう。
星が一つないのは、本が厚いので、寝ながら読んだり、読書の場所が悪いとせっかくの美しい本を破壊しそうで怖いからです。 -
2011/10/16 購入
2011/10/25 読了