- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309411200
作品紹介・あらすじ
座談の名手としても一家をなした、志ん朝師匠の初めての対談集。落語の話、芸談、楽屋裏の話、家族の話、父・志ん生の話、旅の話、そして、ちょっといい話。
感想・レビュー・書評
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志ん朝師匠の対談集
一度 生で聴きたかった。残念詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2011-12-7
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いい人だなあ、惜しいなあ
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師匠の芸に対する一流の姿勢に憧憬します。
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噺家という商売は、端から見ると随分と呑気に思えるかもしれない(談志師匠みたいな「無頼漢」は別枠ですが)。しかし、「職業に貴賎なし」とはよく云ったもので、噺家だって大変なものだ。
古今亭志ん朝師匠は、言わずと知れた名人だ。間違いなく平成の大名人のひとりだろう。志ん朝の父は、やはり昭和の大名人である、古今亭志ん生師匠だ。
志ん朝は親父の熱心な勧めを受けて、噺家の道を選んだという。まるで、「ついでに」噺家になったみたいである。そこまで言わずとも、落語に心底惚れ込んでた訳ではないのは確かだ。
志ん朝は落語と少し距離を置いている。でも、それは悪いことではない。そのおかげで、落語を客観的に眺める余裕が生まれるからだ。もし落語とベッタリであるなら、志ん朝は本書のタイトル通りのごく呑気な「坊ちゃん」だったろう。しかし、実際はそうじゃなくて、もっと冷静に判断を下していた。だから、志ん朝の心持は、「世の中ついでに生きてたい」(けれども無理なんだよなあ…)といったものじゃなかろうか、と勝手に邪推している。ここに、看板の裏に潜む名人の大変さが感じられる。