NOVA 8 ---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 河出書房新社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309411620

感想・レビュー・書評

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  • NOVA7に続き…短編ではもったいないようなお話もある。でも、濃すぎて長編では胸やけがする…かも?

  • 火星シリーズ完結編となる「オールトの天使」が泣ける1歩手前位の中々いいお話でした。このシリーズは続編というか、スピンオフが色々書けそうな感じですね。
    大作の「雲のなかの悪魔」は判る人にとっては面白いんでしょうが、理系の素養のない私には今イチついていけませんでした。
    これ以外には特に印象に残るような作品はなかったかなあ。

  •  書き下ろし日本SF短編のアンソロジー第8弾。3巻目くらいで終わるかと思ったら意外と続いていて、なおかつ次作が楽しみになっている。収録された一編ずつの完成度もさることながら、毎回SFの持つ幅広さ、奥深さを同時に感じさせてくれるアンソロジーになっている。
     今回は北野勇作『大卒ポンプ』、飛浩隆『#銀の匙』『曠野にて』、友成純一『噛み付き女』あたりが楽しめた。山田正紀『雲のなかの悪魔』は、やたらと読点を付けて強調するところが古臭い感じがしたが、ずっしりと濃い一編だった。

  • 「#銀の匙」「曠野にて」が秀逸。同じ舞台背景での物語。言葉を操らんとする者としては興味がそそられる。
    「オールトの天使」もいい。NOVA1から連載されてきた物語の完結。内容的には大満足である。ただ、アイデアの一部が「ふわふわの泉」で見かけたような見かけなかったような…たぶん気のせいだろう。
    「雲のなかの悪魔」すごく難解にしてハードSF。何か満たされない気持ちが残るような…そうだこの感じは「神狩り2」の最後で感じたのと同じだ。

  • 今回はSF色が濃すぎ ワーイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ
    『雲のなかの悪魔』を筆頭に『#銀の匙』『曠野にて』、『オールトの天使』『大卒ポンプ』とファンタジー色の強い『落としもの』(これは連作にしてますむらひろしの絵で見たい)。

    『雲のなかの悪魔』が往年の山田節全開でもう圧倒されるされる。SF的タームを生のままぶちまけているのも、らしい。『最後の敵』『神獣聖戦』『崑崙遊撃隊』等々の発想もぶち込んだ、山田宇宙SF。パノプティコンは『虚無回廊』のSSへのオマージュか。

    飛浩隆は、ドリスの物語としてこれを書き継いで欲しいなぁ。
    北野勇作は、相変わらず北野勇作的SF。根底にあるSF的設定をあえて描写しないで、文章で世界を作る職人芸。流石です。

    東浩紀のはちょっと待たされすぎたかな。ただ人類以外の知性が山田正紀とほぼ同じ結論なのが興味深い。東は「魂」、山田は「クオリア」と言葉は違うけど。

    バカSFとかホラーもあるし、読み応え十分の一冊です。

  • シリーズ第8弾。序文で編者自らSF成分が一リットル当たり一分子の作品があるとか言ったり、一冊に同じ作者の連作短編が二編入っていたりと自由だなあ。東浩紀「オールトの天使」、見事に綺麗に終わりを迎えました。“栖花を語り手にした新たな長い物語”(作中表現)、実現するなら是非読みたいです。飛浩隆「#銀の匙」「曠野にて」、自動書記プログラムと、それを生まれた時から身に着けている少女の話。描写が美しくて素敵です。山田正紀「雲のなかの悪魔」、情報量に圧倒されました。分からない用語を調べてもう一度読み返したいです。

  • 東浩紀の連載?最終話を楽しみに購入。
    が、飛浩隆が予想以上に面白かった。
    全体としてはいつも通りの玉石混交

    ・大卒ポンプ
     馬鹿SF。第六ポンプとはポンプしか関係ない

    ・銀の匙
     短い。nova1との関連作って言われても、遠い目をするしかない。記憶の彼方。

    ・落としもの
     普通の作品。オチも普通。好きな人は好きそう

    ・人の身として思いつく限り、最高にどでかい望み
     タイトルが大層だが、普通の話。

    ・激辛戦国時代
     馬鹿SF。人の相関図を激辛料理の恨みで置き換えただけ。

    ・噛み付き女
     うーん。面白くない

    ・00:00:00.01pm
     さらっとすごいことが書かれている。経過した年月とか状況とか。後味いいのが救い。

    ・雲のなかの悪魔
     ページ数一番多いが一番よく分からない。何が面白いのかも分からない。ころころ世界が変わって、ついていけない。それってすごいの?なにより、地の文での状況説明に対して、目に見える形で起こっていることがしょぼい。

    ・曠野にて
     読まずに破棄されるって悲しいね。

    ・オールトの天使
     最終話らしい。火星の王以降のラストは、別の結末があってもよかったのでは?
    Sの部分はつっこみどころが色々あるし、用語が多少ださい。例えば、二一歳の麻理沙の無限心理行列をベイズ確率で推定し、標準情緒曲線に基づいて再構成されたエージェントモジュール群、とか、超対称量子工学など。

  • 毎回、毎回、本当に面白い作品が集まるモノだ。
    「00:00:00.01pm」が心に刺さった。
    時間停止の緊張感、行動の残虐性がたまらなかった。

    もっと、もっとちゃんとしたSF者になりたいなぁ。

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著者プロフィール

1950年生まれ。74年『神狩り』でデビュー。『地球・精神分析記録』『宝石泥棒』などで星雲賞、『最後の敵』で日本SF大賞、『ミステリ・オペラ』で本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞を受賞。SF、本格ミステリ、時代小説など、多ジャンルで活躍。

「2023年 『山田正紀・超絶ミステリコレクション#7 神曲法廷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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