銃 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
3.67
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本棚登録 : 4080
感想 : 340
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309411668

作品紹介・あらすじ

昨日、私は拳銃を拾った。これ程美しいものを、他に知らない――
中村文則のデビュー作が河出文庫からリニューアル刊行!単行本未収録小説「火」、著者の解説風エッセイを収録。

感想・レビュー・書評

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  • あまりにも面白い。
    純文学の魅力はラストシーンにこそあると最近特に思う(主語をここまで大きくすることに恐怖はあるが)。
    主人公に共感できるかと言われたら全くできない。
    途中途中に出てくる描写も意図がわからないものも多かった。
    だがやはりラストの強烈さを一生忘れることはないと思う。

    「何もかも憂鬱な夜に」とは対をなしてると言える気がする。

  • 内容とか結末とかイマイチ印象に残っていない。
    が、不思議と主人公の心の機微に引き込まれる。

  • こういう小説を読むとやっぱり世界は見えていないものばかりなんじゃない(肯定)、と思う。こんな人間が私の生活にいたらすごく腹立つし大嫌いなはずだけどそれでも読んだ。自分が普段守っているルール、マナー、モラルって実はめちゃくちゃ弱いもので内面ではかなり混雑しているんだ。一列に並ばせられない。それぞれが勝手に私の脳内に居付き自己主張する。うるさい。みんな静かに、静かにしてほしい。だからその意味で、「銃」は大きすぎるノイズによる麻痺した静寂をくれた。
    視野に入れていないものに対して反射的に反発する癖がついた私たちに銃をつきつける作品だー

  • 内包された瑞々しくも爆発しそうなエネルギーが行き場を求めて渦を巻いて膨らんでいるような作品だった。特別な何者か、あるいは特別な何か、社会のフレームを打ち破ってその外側をつかみ取るための「力」。

    銃、火というワードから、意識のコントロール下にある日常を打ち破る制御不能な存在への強い眼差しのようなものを感じた。

    デビュー作ということだが、僕にとっても著者の作品を読むのは初めてだった。
    これから順に著者の作品を追っていきたいという気持ちにさせられた。

    この作品の持っているスピード、熱、エネルギーが当時の著者の若さから来るものなのか、その後どうなっていくのかを確かめたいと思う鮮烈な読書体験となった。

  • 拾っちゃいけない物

  • 独特の気持ち悪さがあり、子どもの頃好きだった江戸川乱歩を思い出した。

  • 主人公が銃の持つ神秘性に惹かれて依存していく様子が一握りのスリルとともに書かれている。
    「銃」というワードがあるとヒヤッとするけど、銃ではないものに置き換えることで、私達の生活に密接に結びつく。危険だと思いつつも!どうしよもなく依存してしまうもの…
    撃たれたような衝撃を覚えた作品です。

  • 銃に魅了され、依存していく。そんな主人公のリアルな描写から緊張が止まらないような作品でした。読後感は決してスッキリしているものではありませんが、面白い!と思える作品だと思います。

  • 1.0

  • 震えながら読んだ。
    美しいものに魅了され興奮し徐々に生活が侵食されていく所が妙にリアルだった。
    後から冷静になってストーリーを追えば完全に狂っているのだろうが、一人称視点で書かれているから自覚がないままあのラストに突っ込んでいく感じが本当に自分事のようでクラクラした。
    これぞ、中村文則。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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