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- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309411675
感想・レビュー・書評
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優しくて、温かくて、どこか懐かしくて、
そこはかとなく不安さを感じるおぼろげな世界。
SFだしファンタジーなんだけど、相手はかめなんだけど、
かめくんが感じている「不確かさ」には、共感を覚えてしまいます。
ちょっと哀しいけれど、ゆったり浸っていたい
ほんのりとあったかい世界ですw。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不思議な世界観。
いえ、SFの設定としては決して珍しいものではないのですが。
かめくんは「レプリカメ」です。
亀に似せて作られました。
人に混じって生活していますが仕事や生活面で弱い立場です。
作られた存在ですがりんごやパンの耳を買って食べます。
口がきけなくてワープロを使って会話します。
そういったことから、
どちらかというと受身で周囲の人たちを観察している感じ。
でも内面でいろいろな事を不思議に思い、常に考えています。
そんなかめくん視点で語られる世界は静かで優しく、でも切なくて。
そしてよく考えると怖い。
淡々とかめくんの生活が語られていく中で、
底知れない不安と悲劇の予感がじわじわと効いてきます。
表紙の男の子(?)はかめくんだと思われます。
そのイメージで読みました。
でもよく考えると見た目は亀のようで甲羅もあるんですから、
まったくの内面的イメージということですね。
イヤリングのりんごも、
りんごが好きで食事として食べる場面が何回かあったりして。
象徴的。