ON THE WAY COMEDY 道草 愛はミラクル篇 (河出文庫)
- 河出書房新社 (2013年12月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309412641
作品紹介・あらすじ
恋人、夫婦、友達、婿姑……年齢も関係も様々な男女が繰り広げる、ちょっとおかしな愛(?)と奇跡の物語! 木皿泉の伝説のラジオドラマ、初の書籍化。「愛」の秘密がわかる(?)オマケの前口上&あとがきも。
感想・レビュー・書評
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大好きな木皿泉さんの
ラジオドラマ用、短編会話劇。
夫婦だったり、父娘だったり、
会社では上司部下の関係のカップルだったり、
義理母と妻を亡くしたおっとだったり…。
ふたりの会話だけで紡がれている。
舞台は主に車。
これはあとがきで知ったが、
エネオスをスポンサーにした
ラジオドラマだからみたい。
私が気に入ったのは、
信之と杳子と妖精トゥクトゥクの話。
この2人がなんとも好ましい。
設定がファンタジックで
ちょっぴりロマンチックで。
米沢と稲尾の「七夕にお会いしましょう」も
奇跡のような、日常のような
ほのぼの感が好き。
あとがきで、プロデューサーさんは
木皿泉さんの作品には「ウソ」という
テーマが多いと書かれている。
私はそれを「ヒミツ」と呼びたいな。
どんな関係性にも
分かり合えているようで
実はそうでない部分があったり。
親しくとも心ひそかに
胸にしまっているものがあったり。
自分自身でも自分をちゃんと
わかってあげられなかったり。
それはみんなにあるんじゃないかなと思う。
木皿泉さんの作品・世界は、
そういうみんながもっている
曖昧模糊とした感情をまるごとに
抱きしめるようなところがある。
だから、泣かせにかかっていなくても
ほろりと目頭が熱くなる言葉を紡げるんだと。
道草ののこり2冊と読みたい。
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読了☆これにて木皿泉卒業也。
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全編男女の話。「ミクロな夫婦」は全部オチが同じで「お母さんと呼ばないで」
は亡くなった嫁の義母が娘婿に迫る描写がずーっと気持ち悪い。
全てが男女の話で職業やシチュエーションが木皿夫妻とオーバーラップさせる場面が多々あるがそれをすると途端に面白く無くなる著者の悪い癖がモロにでてしまった本。 -
さまざまな男女のミラクルいい話に頬は緩みっぱなし。「七夕にお会いしましょう」と「バナナ共和国」の台詞が時に鋭く心に刺さった。
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何度も読み返したい台詞いっぱい。
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こんなところに「道草」が。懐かしい。読みたい。