- Amazon.co.jp ・本 (707ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309414485
感想・レビュー・書評
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鐶の星のこと、アナナスやイーイーのことが、最後にはなんとなく分かったような、分かっていないような。ひとりだけ終わりがないようで切ない。
曖昧なのが尚更幻想的で、確かに全てを知りたくはないというか分からなさに救われているような気もして、いつまでも心に残っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新装版で再読。
本書と『新世界』は長野まゆみ作品の中でも人気作だと思うのだが、久しぶりに読むとやっぱり面白かった。
謎めいた世界が広がる中での少年たちの人間関係、終盤に向かうにつれて徐々に満ちてくる崩壊の気配、そしてラストシーンと、読み返すたびに何か新しい発見がある。
刊行当時も話題になった『暗号』は、著者が『あとがき』で『意味は無い』『解読する必要は無い』と名言したにも関わらず、知りたい読者が多数いたようだ。確かに最初に読んだときは気になったが、私は根気も語学力も無いので解くのは諦めたw(※余談だが、検索すると解いた人が回答を公開している。いい時代になったもんだ)
巻末の解説にも書かれていたが、本書はその後の『新世界』に繋がる多くのモチーフを内包している作品でもある。また、『新世界』の後は少し作風が変わったように感じられる。そう考えると、本書と『新世界』は一種のターニングポイントでもあるのかな、とも思う。個人的にはこの頃の作品が一番好きなので、またSFを書いてほしい。 -
長野まゆみをただのBL作家だと思うのは間違い。テレヴィジョン・シティに勝る耽美的SFファンタジーを知っていたら教えてほしい。
本家にあたる宮沢賢治の銀河鉄道の夜だろうか。
またこんな本に巡り会いたい。 -
上下巻が1冊になった復刊も登録します。
内容は変わらずなので解説のみ読みました。
長野まゆみさんによると、「少年」とは「性別分化前の存在」だそうです。
初期の少年はこの感じがします。好きです。 -
2017/08/18/Fri.(ブックオフにて中古で購入)
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海外のSFに飽きてきたので、日本人作家の作品を読んでみたのだが、意外に面白かった。児童文学みたいな感じだが、内容はかなり大人向け。意味不明な単語や現象が出てくるが、その謎が解明されていく過程が面白い。ただ最後まで分からない部分もある。