- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309414829
感想・レビュー・書評
-
歌集を何冊か大人買いしたのですが、短歌について無知な為、その頭で読んだらもったいないので、まずこの本を読んで短歌とはなにか勉強しようと思いました。
以下は、読みながら書いたメモ書きです。
・新聞記者で詩人という人も世の中にはいる。穂村さんは総務課長で歌人。でも違う文章の使い方をする。
・存在しなくても死なないもの。
・正常の価値観とは違うもの。
・本当に好きだと思うもの。
・死ぬ日に覚えている思い出が一個でも多い人生がより良い人生なのではないか。
・反コンビニ的というか反社会的。
・「生きる」の「生きのびる」に対する非対称性。
・社会化された訓練からもたらす改悪。短歌とは。
・留学生の日本語。その神秘的な間違いに素敵な回路が誤作動する。
・大事なことをわざと書かない。
・短歌のリズム→五七五七七を崩す。
・いいオノマトペは心に上書きされる。
・誰が詠んでもOKですが、素敵なことを詠むと失敗します。
・いい短歌はいつも社会の網の目の外にあって、お金では買えないものを与えてくれる。
感想
私は短歌的な発想はないごくごく普通の人なんだなあとつくづく思いました。 -
短歌を詠むための講座の本ですね。
まことさんの、おすすめで読んでみました。
面白くかなりヒントになりました。ありがとうございます。
「はじめての短歌」の題名になっていますが、副題の「いい短歌の正体とは。」の方がむしろピッタリの気がします。
慶応丸の内シティキャンパス夕学プレミアム『agora』(アゴラ)における講座「穂村弘さんと詠む【世界と〈私〉を考える短歌ワークショップ】」をもとに、構成のうえ編集したものとのことです。
作品を一つ一つ吟味しながら、いい短歌とはこんな風に捉えてはどうだろう、といった感じの講座ですね。
講座ですから、しゃべり言葉をそのまま本に仕立てあげてくれていますので、親しみやすく、穂村さんの語り口が絶妙ですごく分かりやすく、面白く可笑しく、へぇ~そうなんだと驚きもあり楽しく読めました。
私は、どうやら常識と素敵な短歌にとらわれすぎていて、それと言葉にとらわれすぎて、短歌が作れずにいることに気づかされました。
短歌を詠むヒントがわかりやすく、とても良い本だと思います。読み物としても面白くですね。-
ひだまりトマトさん、こんにちは♪
面白く読んでくださったみたいで、よかったです。
私も時間があれば再読したいと思っています。ひだまりトマトさん、こんにちは♪
面白く読んでくださったみたいで、よかったです。
私も時間があれば再読したいと思っています。2023/08/10 -
まことさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
とても良い本でした。
わかりやすい上に、穂村さんの話が面白いですね。親しみやすい方...まことさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
とても良い本でした。
わかりやすい上に、穂村さんの話が面白いですね。親しみやすい方です。
まことさんの、短歌の楽しみかたも、とても参考になります。
これからもよろしくお願いします。
2023/08/10
-
-
短歌の本だと思って読んだら、哲学書でした。
穂村さんのエッセイは好きなんですが、歌人穂村弘はよくわかっていなくて、だからこの本は短歌の入門書だろうと手を出さずにいたことを後悔。もっと早くに読んどけばよかった。
読みながらにやにやしてしまう瞬間はありつつ、でもかなり過激でアツイ内容でした。「生きる」と「生きのびる」の考察とか。
もちろん、短歌の本としても素晴らしい本でした。添削ではなく改悪例ってのがとてもわかりやすかったです。 -
このごろ短歌の良さに気づき始めた私にも分かりやすい、短歌の入門書。
短歌をどのように感じれば良いのか、また日常で短歌が浮かび上がる瞬間とはどのような場面か、"改悪例"を示しながら教えてくれるので、とても具体的に知ることができる。
肝心なのは、「生きのびる」ということを顧みずに「生きる」に純化した魂の輝き。共感の前にはまず驚異がある。
社会的に価値のあるもの、正しいもの、値段のつくもの、名前のあるもの、強いもの、大きいもの。
短歌では、基本的にこれらは全部NGなんだそう。これらの存在を徹底して害悪と言い切ってくれて気持ちが良かった。短歌ってそうだったんだ!
思い起こしてみれば日常にそういう瞬間、強制力から逃れてただ魂が輝くだけの瞬間(エピファニー?)ってわりとある気がする。そういう一瞬をぱっとつかまえて、私も短歌、詠んでみたい。 -
生きのびるため、ではなく、生きるため。「くびれ」の概念など、
"なんとなく"とか"感覚"で判断しがちな短歌の良さを、ここまで短歌の読者以外にもわかりやすく論理的にすっきり短く説明してる本ないと思います。 -
穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸とともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。エッセイスト、絵本の翻訳家等としても活動している。
本書は、2013年度の慶應丸の内シティキャンパスにおける短歌の入門講座(全6回)をもとに編集され、2014年に出版、2016年に文庫化されたもの。
私は、アラ還が近づき、仲の良い友人グループの何人かがSNSで歌のやりとりを楽しんでいるのを見て、本書を手に取ったのだが(現代短歌といえば、これまで俵万智しか知らなかったが、数ヶ月前のNHK番組「趣味どきっ! 本の道しるべ」に出ていた著者に共感を覚えていたこともあった)、とても興味深く、また、著者の軽妙な語り口にしばしば笑いを誘われる、楽しい本であった。
他の短歌入門書がどのように書かれているのかはわからないが、本書はいわゆるハウツー的な書き方はされておらず、短歌とは「生き方」に結びついたものであること、それ故にどのように詠まれるべきかが自ずと導かれること、が繰り返し述べられている。そのポイントは、概ね次のようなものである。
◆いつ誰がどんな順番で死ぬかわからない世界で、人間は、替わりの効くシステムが用意されている人生(会社における課長「代理」のような)と、一人ひとりにかけがえのない絶対的価値のある人生(家族のような)の二種類の生を二重に生きている。前者の生き方は「生きのびる」、後者の生き方は「生きる」、とも表現できる。
◆上記を言葉で文章を書くという行為に置き換えると、前者は「新聞記事」を書くようなもの、後者は「詩・短歌」を書くようなものと言え、よって、詩や短歌は、唯一無二の言葉で表現することをめざす。
◆短歌においては(シンプルに言うと)、社会的に価値のあるもの、正しいもの、値段の付くもの、名前のあるもの、強いもの、大きいものはNGであり、社会的に価値のないもの、換金できないもの、名前のないもの、しょうもないもの、ヘンなもの、弱いものの方がいい。
◆「生きる」ために大事なものを測る尺度は、「忘れられないかどうか」であり、良い人生か否かを決める尺度は、死ぬ日に覚えている思い出が多いか少ないかである。
短歌の詠み方を語りながら、人の生き方をも説いた、出色の一冊と思う。(著者のエッセイもぜひ読んでみたい)
(2021年2月了) -
2020/12/22 読了
生きのびるためではなく、生きるために生まれてきた。
素敵な言葉だなーと思った。 -
一度も読んだことがない現代短歌。ニューウェーブ短歌の騎手による入門書。「雨だから迎えに来てって言ったのに傘も差さず裸足で来やがって」「目をさめて日のさすカーテン開けたとき歩いていたのは太郎君なり」ほか。社会的な価値に結びつかない非効率、無意味、お金にならない社会的にマイナスなもの程短歌の評価が高いらしい。人生に短歌がどう役立つかどうかはよく分からなかったが。
-
いただいた本。
生きのびる と 生きる は言い方は初めてだけど、こういう考え方は分かる。おもしろい、すてきで、ついには短歌をよんだ。
いや、57577思いついたのですが、内容が…..。
杉崎恒夫さんみたいに素敵にはいかなくて…。
なんか、笑える感じだったので...
いや、57577思いついたのですが、内容が…..。
杉崎恒夫さんみたいに素敵にはいかなくて…。
なんか、笑える感じだったのです。
川柳も、地元のテレビ番組で、毎週、市民から応募を募っている番組を観ています。
その番組の応募作品で、忘れられず、時々呟いている作品があります。
「忘れない 俺いない時 うまいもの」(爆)。
はじめて詠んだ歌が杉崎恒夫さんのような歌だったとしたら、まことさんは天才です〜笑
でも、なかなか、うまくいきませんよね。
...
はじめて詠んだ歌が杉崎恒夫さんのような歌だったとしたら、まことさんは天才です〜笑
でも、なかなか、うまくいきませんよね。
詩性を宿らせるっていうのも。
ご紹介の川柳、思わず笑みが漏れました。
食べ物の恨みはなんとやら、ですね〜。
今、穂村さんの『短歌という爆弾』を読み始めたのですが、奥の深い世界なんだなあと、私には到底、届かぬ世界と認識しながら、読んで...
今、穂村さんの『短歌という爆弾』を読み始めたのですが、奥の深い世界なんだなあと、私には到底、届かぬ世界と認識しながら、読んでいるのですが、載っている歌で、「この歌好きかも」と思ったら、作者が杉崎恒夫さんだったので、ちょっと嬉しくなりました。多少の嗅覚はあるのかな?と思いました。でも、創作とは、別物ですね(*^^*)。