寝ても覚めても: 増補新版 (河出文庫 し 6-7)

著者 :
  • 河出書房新社
3.19
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本棚登録 : 571
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309416182

感想・レビュー・書評

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  • 何でこんな映画を観たのだろう、とまず思いました。
    一人でどこか遠くへ行きたくて、久しぶりに何か映画を観に行こうと決めました。
    映画は内容は本当に何でもよかったので、当てずっぽうでこれにしました。
    内容を知っていたらむしろ観なかったと思います。

    ストーリー云々より、主人公たちは、みんな若くてきらきらしていました。
    まぶしかったです。
    やっぱり若者の恋愛映画なんてやめておけばよかったのかな?と悲しくなってしまいました。

    帰りのバスの中から見た街中のクリスマスのイルミネーションの夜景までとってもまぶしすぎて、見ていて淋しくなってしまいました。

  • なんてことないどころか若干胸クソ悪いストーリーなんだけど、ひとつひとつの短いシーンがめちゃくちゃ刺さる。
    日常の描写が、肌にくっついてくるみたいに馴染むんだよなぁ。
    顔面一目惚れ&待たされる恋愛したことのある人には毒薬になる本。

  • 増補新版で再読しました。
    面白かったです。とてももやもやします。
    旧版→映画→増補新版と接してきたのですが、ずっとヒリヒリしました。
    運命だ、と思った相手がふたり。同じ顔で。
    登場人物たちのあれこれと共に風景が執拗とも言えるほどに描かれていて、人は視覚で生きている、ということを感じました。
    朝子が一目惚れするシーンも、麦のときも亮平のときも一度に全身を見ているし。
    でも朝子の友人の春代は、麦と亮平は同じ系統だけどそんなに似ていない、と言ってるので、好きだから似て見えるのかなと思ったりします。
    消えていた麦が朝子の前に現れてからはもう怖かったです。そっちに行ってはダメだ、と思いながらも、でもきちんとお別れも出来ず、ずっと会いたかった人が迎えに来たら行ってしまうことあるのかも…と思いました。
    わたしは朝子は責められないです。責められるほど、健全な恋愛はしてないです。
    亮平はいいやつだ…朝子と亮平、溝を抱えたままふたりで生きていくんだろうなと思いました。
    増補新版で増えた部分はよくわからなかったです。。
    人を好きになるのは、端から見るとこんなに訳がわからないことなのだ、と思います。
    朝子は心に正直に行動してますが、理解されることではないです…怖いけれどリアルでした。

    映画を観てからなので、春代は完全に伊藤沙莉さんでした。ぴったり過ぎです。
    東出昌大さんは、麦と亮平だったら麦だと思います。亮平の空気ではありません。
    朝子の唐田えりかさんはこちらで初めて拝見したのですが、どこか得体の知れないところが朝子でした。でも、あれから他の作品で見ても、彼女は深いところでは何を考えてるんだろう?と思います。
    映画はすごく風景が綺麗で好きでした。また観たいです。

  • 描写の精緻さ、爽快さに対して周りの人間への淡々とした無関心さが凄まじい。ただし、麦をのぞく。
    主人公の目(さあちゃんずアイ)を通して見た話だと思えば、納得できるが、では主人公は何を考えて何をしてるのかほとんどわからない。
    彼女の選択した仕事や行動に対する心理描写はほぼわからない。わかるのは麦の外見や行動、表面に出るところが好きということだけ。
    その好きに至るプロセスもほぼわからない。最短距離で好きになるため、読者からすると理解できないため怖いとすら思う。
    しかし、周りの人間や環境、風景の描写は綺麗で巧みなため、周辺の細部は浮き上がるが、主人公は空白という形で浮かびあがってくる。
    浮かびあがってくるのは主人公の異常に見える行動(本人の中では好きに対して合理的)に対して、それを怖いと感じさせる積み上げと説得力があってすごい作品でした。

  • たんたんと凶悪
    小説としての完成度は恐ろしいほどに高い。だからこその読んでしまった後悔。なぜ手に取ってしまったのか。寝たら、覚めたらでいいんだよ基本は!

  • 私の苦手な文章表現だったため、途中から流し読みに切り替え。セリフ読み+αで完読。
    綺麗な文章を好む自分としては、とにかく読み辛かった、、。

    同じ顔の男性が2人いて〜ってお話。
    (自分用メモ)

  • 登場人物が多くて、私は読みにくかったです。朝子もなんかよく分からないし終わり方も納得いかなかった…

  • 再読した後の感想です。
    これは好み分かれる作品だと思いますがわたしは好きです。
    読んでる最中感性がキラキラして日常も輝いていました!
    小説自体は初めて読んだ時にその展開に戸惑いを隠せなかったし、ラストに向かうにつれて得体の知れないザワザワに襲われて読み進めるのが怖かったです。
    でも2回目に読む時は内容がわかってるからかすんなり読めました。
    解説の方のお話もすんなりきました!
    漫画小説も本編とリンクしてて良かったです!

    初めて読む人には戸惑いを隠せないと思うけど好きな人は好きな小説だと思います!

  • 映画を見て、展開と主人公の言動に納得いかなすぎて気になって原作小説を買った。ストーリー進行には不要とも思える描写・ノイズが多くて読みづらい。かなり時間をかけて読了。唐田えりかちゃんと東出くんの怪演のせいか、映画版のほうが底知れぬ怖さがあった。
    わからないのは文章スタイルのせいなのかわたし自身にヒリつくような恋の経験がないせいなのか。心にずっとひっかかる作品ではあります。

  • 小説内の時間の流れがとにかく早い。ラストはなるほどなぁという感じだったけれど、主人公の感情の揺れや考え方もあまり理解できなかった。亮平も麦もなんだか可哀相というか。。

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著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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