本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309419695
感想・レビュー・書評
-
田中貢太郎『日本怪談実話〈全〉』河出文庫。
実話怪談の先駆者で、第一人者である田中貢太郎の代表作を文庫化。234話を収録。
本書の元本『新怪談集 (実話編)』は1938年刊行とのこと。
戦時中の実話怪談から始まる。毎日が死と隣合わせという戦争という異状な日常に於いては生死を巡る怪談実話が多くあるようだ。九死に一生を得た話、虫の知らせ。戦地に赴いた息子を思う親の気持ち、家族を思う息子の強い意志が不可思議を生み出すのだろう。
大正から昭和初期が舞台の様々な形の実話怪談が収録されているが、狐火、虫の知らせ、地蔵、蛇、山の怪異、幽霊などなど、ほぼ全ての怪談のパターンが網羅されているのではなかろうか。
北海道の大学を舞台にした『死体を喫う学生』は、大昔に聞いたことがある。最後の「貴様見たのだな」というオチも同じだ。
現代に比べ、昭和の頃はまだ怪談や不可思議にあふれていたような気がする。昭和の時代はネットやテレビ報道などが未発達だったため、噂や怪談の類いが人伝に伝わる過程で少しずつ脚色されながらより面白い話として完成されていったのだろう。
本体価格900円
★★★★詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全部がぜんぶ怪談というより、不思議な話、普通に犯罪、みたいなのもちょいちょい混じる。時代によってタクシーが走ったり、薩摩軍が出てきたり。現代の実話怪談とはまた違った、人々の反応や対処の仕方も含めて面白かった。
全2件中 1 - 2件を表示