アンチ・オイディプス(下)資本主義と分裂症 (河出文庫 ト 6-2)

  • 河出書房新社
3.48
  • (13)
  • (5)
  • (40)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 442
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462813

作品紹介・あらすじ

無意職論、欲望論、精神病理論、身体論、家族論、国家論、世界史論、資本論、貨幣論、記号論、芸術論、権力論…のすべてであるとともに厳密な哲学の書でもある奇跡的な著作の新訳。「器官なき身体」とともにあらゆる領域を横断しつつ、破壊と生産をうたう「分裂分析」は、来たるべき思考と実践の指標であり続けている。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 下巻読了。
    すんばらしいけど専門家の解説本に一度触れた上で再度読み直したいスルメ本。
    反オイディプスの言説を通じ、人間の固定的な統一性や三位一体的フロイト構造に反旗を翻す。まさに学生運動花盛りの産物だが、二十代の自分が今読んでもすこぶる感動した。
    本著の表層的な主題は大まかには理解したものの、もっともっとドゥルーズガタリの深層に迫りたい欲が募るばかり。
    千のプラトー行く前に一度休憩。

  • ベルクソンを引き継ぐ分子生物学的な発想から、欲望を欠乏ではなく、分裂的で自動的に動く意味での"機械"と捉え、そこから器官、身体、さらに拡張する形で原初的な大地、専制君主、資本主義を想定しており、そのようなモル的なまとまりが拡大していく上で、保全のために内部に抑え込むパラノイア的性質が、革命能力を持つ分裂的性質を抑え込む。フロイト精神分析のオイディプス・コンプレックスの考え方は、全ての無意識を父-母-子に代理させる意味でパラノイア的であり、本質的でないだけでなく思考を固定化し抑え込むため危険である。後者の分裂的性質に注目すべきで、それがドゥルーズ+ガタリが対象とする分裂分析である。

  • [ 内容 ]
    <上>
    マグマのような苛烈な文体によって、唯物論哲学を大胆に書き変えた名著の新訳。
    精神分析批判から資本主義と国家への根底的な批判へ向かい、そのための「分裂分析」をうち立てた革命的な思考はいまこそ「再発見」されなければならない。
    欲望機械/器官なき身体とともに、最も危険でカオティックな思考の実験がはじまる。

    <下>
    無意職論、欲望論、精神病理論、身体論、家族論、国家論、世界史論、資本論、貨幣論、記号論、芸術論、権力論…のすべてであるとともに厳密な哲学の書でもある奇跡的な著作の新訳。
    「器官なき身体」とともにあらゆる領域を横断しつつ、破壊と生産をうたう「分裂分析」は、来たるべき思考と実践の指標であり続けている。

    [ 目次 ]
    <上>
    第1章 欲望機械(欲望的生産;器官なき身体;主体と享受 ほか)
    第2章 精神分析と家族主義すなわち神聖家族(オイディプス帝国主義;フロイトの三つのテクスト;生産の接続的総合 ほか)
    第3章 未開人、野蛮人、文明人(登記する社会体;原始大地機械;オイディプス問題 ほか)

    <下>
    第3章 未開人、野蛮人、文明人(承前)(“原国家”;文明資本主義機械;資本主義の表象;最後はオイディプス)
    第4章 分裂分析への序章(社会野;分子的無意識;精神分析と資本主義;分裂分析の肯定的な第一の課題;第二の肯定的課題)
    補遺 欲望機械のための総括とプログラム

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  •  この本の真骨頂である「欲望機械」や「分裂分析」、「器官なき身体」の定義、「欲望的生産」と「社会的生産」、死と強度の問題、革命の話などが展開される下巻。「脱コード化」という概念は流行ったが、今読むとそこはあまり面白くない。
     むしろ、オイディプスの三角形、端的に言えば近代家族モデルであるが、これを解体するに飽き足らず、「人間」そのものも概念的に解体し、あらゆる欲望という切り口でその存在を捉えなおし、その欲望が社会の中へはめ込まれていく、あるいはそこから逸脱していくさまを描いたところが非常に面白い。この説明はわかりにくいだろうか?
     つまり、自我を持つ主体としての人間という定義すら、DGは投棄している。欲望の強度が、欲望のない(強度=ゼロ)ところを目指して活動するがゆえに社会は回り、あるいは破壊されるという立論のなかで、個人がどうとか共同体(家族)がどうとかいう話を乗りこえてしまうのだ。
     当時は精神分析とマルクス主義批判として現れたこのわけのわからない本であったが、今読むとアナキズム的でさらにフーコーの下地になるどころかそれを乗りこえていくような読み方を可能にする論述なのである。このレビュではほんのわずかなエッセンスに触れたにすぎないが、ここから引き出せる思想の広がりというのは、相当に可能性を秘めているのではないかと思う。ただのキチガイ本と侮る勿れ、ということだ。

  • いくらか示唆とフレーミングに富んだ上巻とはうってかわって、なんだか訳わからん方向に進んでがっかり
    ハマれば面白くなりそうだけど一気に置いてけぼりを食らった

  • 読んだ。

  • 徹頭徹尾容赦のない本でした。面白かった。

全7件中 1 - 7件を表示

ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×