- Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309463179
感想・レビュー・書評
-
壮麗な映像に圧倒される、まさに至高の叙事詩。地獄から煉獄をへて天国へと至る。このカタルシスたるや!
筋書きや世界観が面白かった地獄篇などに比べると、天国篇は物語性が薄れ、神学論議がメインになるゆえ、作者自身が冒頭で警告するようにあまりに難解。そもそも聖書に興味がないと読む意味に疑問を感じる内容だ。自分は信仰者ではないものの、書物としての聖書に関心を持っているので、なんとか頭を絞ってついていったが、理解できた部分は少ない。
しかし終盤での神へと至る道程の映像美には圧倒された。なんだかよくわからないけどスゲェ!ぐらいの理解度でしかないが、地獄篇からのコントラストを考えると、この荘厳で美しい世界観は感動的なものがある。ベアトリーチェをあの階層に置いたのも印象深い。そして、神々しい最後の一行に宇宙の神秘を感じて読了。
理解度を深めるために、いずれ他訳にも挑戦してみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全然読み進まない
地獄とかに比べて退屈だ
悪は人間のなすことであるなら、まさにクリエイティブだけど、善は神に至るものなら、人間の語るものなどたかが知れてる
ダンテさん、神を代弁する気か?という気持ちがわいてきて集中できず
人間の想像する善なんてたかがしれてて、それが本物なのだとしたら、神のなんと退屈なものか
どうも、違和感しか感じなくて無理
挫折しそうになりつつなんとか読了
読み終わってやっと頭に出来上がる構造がある
何にしても膨大なので、1度通して読んで、ちょこちょこ繰り返し読んでくんだろうなー -
ダンテ著、平川祐弘訳『神曲 天国篇』河出文庫 読了。至高天へ昇る神秘的な旅。天国だけあって登場する魂は錚々たり。挿画の少なさが物語るごとく、地獄篇・煉獄篇に比べ、神曲特有の具象性・リアリティにやや欠く。神学論議も展開されていて、非常に難解な作品。ちなみに、個人的には地獄篇が好み。
2011/06/09 -
眩しいばかりの光で目が眩みそうだった。
神学理論は難解で理解に苦しんだ。
ベアトリーチェの美しさは抜きんでていた。
聖母マリアの慈愛は心を溶かした。
聖母の助けによって至高天に昇った時、全てがわかった。
地獄を下り、煉獄の山を登り、天国で神の玉座まで上昇していく。
「神曲」という建築物を駆け上ることができたのは、平易な現代語訳があればこそであった。
ゴシック建築は立体的な聖書と言われるが、高校時代の無神論者であrと公言していた師が、フランスに旅行に行った折、シャルトル大聖堂に入り、思わず跪いて神に祈ったと語ったことが忘れられない。
たとえ全てが理解できなくともこの3冊を読み通すと同じように神に祈りを捧げたくなる気持ちになる。
自分もキリスト者ではないが、聖書の引用があれば聖書にあたり、ジョットをはじめとするルネサンスの絵画をみたことで少しキリスト教について理解が深まったように思う。