べにはこべ (河出文庫 オ 4-1)

  • 河出書房新社
3.71
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本棚登録 : 156
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309464015

作品紹介・あらすじ

フランス革命下、絞首台に送られる貴族を救いに、イギリスから謎の秘密結社〈べにはこべ〉がやってくる!古典ロマンの傑作を名訳で。

感想・レビュー・書評

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  • "題名は知ってるけど読んだことないので読んでみよう"がマイ•ブーム…というわけではないのだが、試しに読んでみた。その結果………。疲れた。

    『いわゆる、昔風の少女マンガって、こういうところから出来上がっていったんだろうなぁ』ということが確認できたのが最大の感想です。あと宝塚ファンの人とかが好きなんだろうと思いました、知らんけど。一見すると冒険活劇なんだけど主役は貴族の女性…とかね。1905年の出版だから、あらすじもテンプレート化してしまっていて先が読めてしまうのも仕方がないもんね。「最後までよく読んだよオレ」と、自分で自分を褒めてあげました。

  • 会社のヅカオタの同僚から「スカーレットピンパーネル」のブルーレイを借りて視たので、原作も読みたくなり、読みました。
    フランス革命を舞台に、絶世の美女マーガリートが、謎のヒーロー「べにはこべ」を追って大冒険、最後は夫の真実の愛に気付いてハッピーエンド。少女小説のロマン満載です。
    宝塚版との違いを比べながら読むのが楽しかった。宝塚版は、パーシィ、マーガリート(マルグリット)両方の視点から物語が進行しますが、原作は終始マーガリート視点で描かれています。
    最初はマーガリートが高慢ちきであまり好感が持てなかったのですが、真実を知り、今までの自分を反省してひたむきに頑張る姿には心打たれた。終わってみれば傲慢なところも含め、可愛い女性と思えた。
    村岡花子さんって有名な翻訳家さんなのかな?古典作品だけど、読みやすかったです。

  • 訳、特に台詞回しに古さがあるものの
    歴史物以上に、
    マーガリートの女性としての心情の変化が、
    大変生き生きとして面白い

  • 小学生の頃「世界名作100選」的なもので読んで、とっても面白かった記憶はあるけど、内容を全く覚えてなかった本書。

    あれから15年以上たった先日、本屋をぶらぶらしてるときにこの題名が目に飛び込んで、懐かしさから買ってみた(内容は全く覚えてなかったんだけど)
    「花子とアン」で話題になった村山花子さんの訳を読んでみたいのもあった。

    あー全然覚えてなかったけど、フランス革命を舞台にしたこんなワクワクする冒険譚だったのか!
    古き良き少女漫画にある、ベタベタのときめき。
    少女ならだれもが憧れるような世界。
    村山さんの訳は主人公マーガリートに寄り添うような、誠実さがあった。

  • 読書日:2017年7月13日-7月15日.
    Original title:The Scarlet Pimpernel.
    Author:Emmuska Magdalena Rosalia Maria Josefa Barbara Orczy Barstow.

    作者がTarnaörsのOrczy男爵家令嬢で
    後にEngland人の男性と結婚し、England国籍を取得します。

    この作品の女主人公Margueriteはfrançaiseで、
    EnglandのSir Percy Blakeneyと結婚し
    Blakeney准男爵令夫人として社交界場で寵愛されています。
    彼女は貴族階級者ではないけども非常に頭の機転が利き、
    その明晰さは王族のLord Anthony Dewhurst達も感嘆の念を表す程です。

    物語の始まりは
    平民が貴族階級及び王家をギロチンの台に送り込む残虐極まりない行為が描かれ
    歴史の一端を窺い知る事が出来ます。
    その中でEnglandの紅はこべなる団体が、この状況からFrance貴族達の救命に奔走します。
    この状況を読んで、以前に読んだ『Lessons from Madame Chic』に
    主人公のhome stay先の人達を思い出しました。
    彼等はFranceで千年以上続く貴族と言っていたので、
    あの暴動を生き延びられた事に感動しました。

    物語を読み進めて行く内に、予感が二つ的中したので驚いています。
    一つ目は、紅はこべの首領が阿呆だと人々から思われているSir Percy Blakeneyです。
    馬鹿と天才は紙一重とも言いますし確信は特にありませんが、何となく彼が首領なのではと感じられました。
    二つ目は、彼の兄嫁と、彼女の親友の父親を救う為に単身Franceへ渡った道中で、
    年老いたびっこを引いたJewsが登場するのですが、
    彼が変装してる姿だったら面白いと思いながら読んでいました。
    まさか本当に当たるとは…本当に驚きです。

    この作品は"紅はこべ"の先祖と子孫話も描かれているそうなので、
    日本語訳が成されたら是非読んで観たいものです。

  • フランス革命下のパリ。血に飢えた絞首台に送られる貴族を救うべく、イギリスから謎の秘密結社〈べにはこべ〉がやってくる!絶世の美女を巻き込んだ冒険とミステリーと愛憎劇。古典ロマンの傑作を名訳で。

  • うーん、期待しすぎた。
    期待しすぎるのはわたしの不幸のすべての原因である(なんの話?)

    プロメテウスが行動の前に考える人、エピメテウスが後から考える人、とするとマーガリートは何も考えない人、に見えた。思考を放棄している。
    たとえ裏目に出ても、自分で考えて判断して行動して、
    「誰かのために勇気をふりしぼって」進むのは女の子であってほしい、と思うのは、80年代少女小説、そのあとの代田さん翻訳のYAを読んできたせいかもしれないけれど。
    時代のせいかなあ。

    ゼンダ城のプリンセスはもう少しかっこいい。最後のところがとても。
    私にはプリンセスとして生きてきたこれまでの人生があり、それも同じくらい大切なものなのです。

    翻訳としては、カタカナが少ないのが素晴らしいですね。翻訳家なら、金原瑞人さん、代田亜香子さん、柴田元幸さんあたりが好きです。

    なぜか同時進行で14世紀イタリアの話を読んでいたので、虐げられてきた民衆の怒り、悲しみが、貴族に生まれただけで悪いことはしていない、としても許せないくらい、溜まっていたのだと思うと恐ろしいことです。
    暴力に暴力で返すのはなんの解決にもならないけれど。
    よりよい世の中になっていくとよいなあ。人間の感情は水だとすると、あふれたり持て余したりしたらどうしたらいいんだろう。
    正しく流して作物が育ちますよう。

  • <べにはこべ>は誰なのか、私の正義とは。

    宝塚を観てきたので読んでみたシリーズ。主人公がマーガリートですね。人間関係も結構違います。アルマンは8歳上の兄、両親を亡くしてからマーガリートの親代わりとして二人生きてきた。アルマンはアンジェルド・サンシールを愛したが、身分の為にサンシール侯爵にひどい目にあわされた。マーガリートはそれを忘れず、サンシール侯爵とその家族を告発してギロチンに送り込んだ。それを侯爵のいとこであるトルネイ伯爵夫人は恨んでいる。娘のスザンヌはマーガリートの学友であり、彼女を懐かしんでいるのだが。マーガリートとパーシィ卿の仲は冷え切り、昔馴染みのショウブランは倦んでいる彼女に接近する。

    マーガリート視点なのでパーシィが本当に謎。燃え上がった恋愛の日々は本当にどこに行ったんだ、というくらい、不仲状態でずっと進む。マーガリートは兄アルマンのために誰かの命を危なくしてしまうのだが、このアルマンは心配されるアルマンじゃない。そこもマーガリートの弱さとして愛おしい感じだけど。何気にアンドリュウ・フークス卿が大活躍。ラストの大逆転は舞台とは違って、ある意味ちょっと地味だけど、夫婦の物語としてはよい終わり。

  • 以前に呼んだのは子供向けの簡易版だったのかな?記憶より詳細だったような。
    マーガリート、途中まで「おいおい」って思ってたけど、舞踏会の後のシーンくらいから俄然、応援したくなった。頑張った!
    ハッピーエンドで良かった!

  • 舞台、スカーレットピンパーネルを観てみたいと思っていたのと、朝ドラの村岡花子訳ということで読んでみたいと思っていて、偶然古本屋で見つけて即購入。
    結構読むのに時間がかかってしまい、ようやく読了という感じ。前半が登場人物がつながらず、物語の全貌もやや不明でダラダラしていて、登場人物の関係性を理解するのが少し難しかった。前半で投げ出しそうになるも、後半は動きがありサクサクと面白く読めた。
    しかし、主人公のマーガリートに感情移入できず、というか好きになれず…ヨーロッパ一の才媛、叡智としつこい位にうたわれるのだが全くそう感じられず、ヒステリックで軽率なところにイライラさせられる。もう少し思慮深く素敵な主人公だったらなぁと思わされる。
    まあ、若いし仕方ないのかな…後半の行動力はいいけど…でもいちいちヨーロッパ一の頭脳という感じは全くないな…とモヤモヤしながら読んだので☆3.5(笑)
    あとはできればパーシーや紅はこべ団からの視点というか、動きが詳しく知りたかったとも思う。

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著者プロフィール

1865-1947。ハンガリー低地地方のターナ= オルスに生まれる。14 歳でロンドンに移住。1901 年から『ロイヤル・マガジン』誌で「隅の老人」シリーズの連載を開始。本作の主人公はのちに「シャーロック・ホームズのライバルたち」に数えられ、「安楽椅子探偵」の嚆矢ともされる。他の代表作に、1905 年に演劇として上演され、小説も10冊以上が刊行された「紅はこべ」シリーズなど。

「2019年 『世界名作探偵小説選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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