- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309464947
感想・レビュー・書評
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ニーチェによる「ニーチェ入門書」のような本
ちくま学芸文庫の翻訳?で好きだった言葉がガラリと印象が変わっていて驚いた……昔の方がインパクトがあったけどこの本の方が解説が丁寧に書かれているし、翻訳者の方も本当に真面目にされていたようだしこれはこれで好き
デカダンスについての考察も興味深い点が多くあった
ただ私の無知さには驚いた 本当に難しい ゲーテの引用、マタイの福音書の引用、過去の自分の作品の引用……なんというか本物のインテリに殴られてる感じだ 背伸びして読んだがまだ私には難しかった 学び直してからまた読みたいから買おうと思う詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ニーチェの思想の基礎が大まかにわかる書。
キリスト教道徳は聖職者の聖なる妄想であり、人間の生の部分を貶めると考え、触れた人間たちの生命力を弱めている。 -
ドイツ語で通読した初めての哲学書。
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ドイツに頽廃をもたらした様々なものを、"生"を否定するキリスト教的価値観をキリスト教を貧者の宗教であり頽廃をもたらすものであると看破しながら、疾走感と痛快さをもって手当たり次第に切り捨て、破壊していく。"生"の否定がどこからもたらされていたかと考えていたかがはっきりと示されたニーチェの思想の到達点である。
中でも印象に残ったのが、『反時代的人間の渉猟』で指摘している無政府主義者の行動である。社会の底辺階層を代弁して「『正義』、『公平』『平等の権利』を要求」し、「私が下層民であるなら、お前もそうあるべきだ」という理論を掲げ、そして「自分の困窮ぶりを他人のせい」にして復讐そして革命を煽る。これは今まさに世界で起きていることであり、これをすでに指摘していたニーチェの視点の鋭さに驚くばかりである。
ニーチェの当時のドイツに対する忠告であるが、それは現代に対しても有効であるように思う。"生"を否定する存在、すなわち、自らの意思で行動することを否定し、変わろうとする(=豊かになろうとする)意欲を奪っていく存在から、どのようにして身を守るべきかを改めて考えていかなければならないだろう。 -
2019年4月11日、とりあえず手元に置いておく。