アンクル・トムの小屋 (世界文学の玉手箱 11)

  • 河出書房新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309465616

感想・レビュー・書評

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  • 4.08/45
    内容(「BOOK」データベースより)
    「差別」をめぐる衝撃的な物語。

    冒頭
    『二月のたいへん寒い日の、午後遅くなってからのこと。ケンタッキー州P――町のある家の、りっぱな食堂で、ふたりの紳士が酒を飲みながら、なにごとか熱心に相談していた。』

    原書名:『Uncle Tom's Cabin』
    著者:ハリエット・ビーチャー・ストウ (Harriet Beecher Stowe)
    訳者:丸谷 才一
    出版社:河出書房新社
    単行本:364ページ

    メモ:
    ・死ぬまでに読むべき小説1000冊(The Guardian)「Guardian's 1000 novels everyone must read」

  • 奴隷制度について読む必要性を感じたが、意外にも、これといった本がみつからなかったため、一番有名なこの本を手に取った(読んだことなかったのか、という感じだけれども)。
    奴隷制度が、いかに理不尽か、いかに残酷で、人間を人間として扱わず、もの扱いをしていたかを知るには良書。
    今、読むと、本当に違和感が大きいが、これが、奴隷制度が廃止されてからではなく、制度がある中で書かれたということが驚き。この本が、社会を動かし、南北戦争を起こす大きな原動力になった。リンカーンが作者に「あなたが、この戦争を起こすきっかけをつくった本を書いた方か」と言ったというのは有名な話。
    それにしても、奴隷制度廃止後に、振り返って書かれた本もあるだろうに(ある筈だと思うが)、検索をかけても、この本ばかりが出てくる現状はどんなものだろう。もっと多くの物語が書かれていてしかるべきだし、それは翻訳されていても良いと思うのだが…。
    ある意味、まだアメリカは南北戦争の悪夢から覚めていないのかもしれない。今も根強く残る黒人差別が、それを物語っている。

    実際に読んだのは少年少女版なので、ダイジェスト版といった感じ。詳細に読むと、また違った感じかもしれない。

  • 黒人奴隷の話。奴隷の印象はひどい環境で常に働き続け、人権がなく死ぬ思いをしているというものであった。しかし、彼らを買った主人によって彼らが野蛮な「動物」として扱われるか、人間に近い奴隷で居られるかが決まる。主人が借金に喘げば、一番に売られる「モノ」の彼らが心の拠り所にしていたものは何なのか。作中ではキリスト教であった。心の慰めとなるものは人間よりも上位の存在なのだろう。

  • (2015.01.15読了)(2008.10.21購入)

    【目次】
    1 奴隷商人
    2 母親
    3 エライザの夫、ハリーの父
    4 アンクル・トムの小屋の夕暮れ
    5 売られていく者の心
    6 発見
    7 闘う母
    8 三人の男
    9 上院議員バード氏
    10 売られていくアンクル・トム
    ・・・

    ☆関連図書(既読)
    「私は黒人奴隷だった」本田創造著、岩波ジュニア新書、1987.08.20
    「アメリカ黒人の歴史 新版」本田創造著、岩波新書、1991.03.20
    「キング牧師」辻内鏡人・中條献著、岩波ジュニア新書、1993.06.21
    「キング牧師とマルコムX」上坂昇著、講談社現代新書、1994.12.20
    「「風と共に去りぬ」のアメリカ」青木冨貴子著、岩波新書、1996.04.22
    (「MARC」データベースより)amazon
    料理自慢のクローおばさん、自由を求めてカナダへ逃亡する若い青年、奴隷の境遇に慣らされ活力を失った人々…大きな愛によって生きる、様々な人間たちを描く。

  • 奴隷制度など社会問題を考慮しながら感想を語ろうとすると、かなり長くなりそうなので、ここでは一言。面白かった!不朽の名作というものは時が経ってもやっぱり面白いんだな。ただしこれはダイジェスト版なので、展開が早くて飽きなかったというのもある。

  • 本当であれば小学校高学年のときに読んでおかなければいけなかった本。
    でも私が小学校6年生になる直前の春休み、学校の図書館がボヤになり、学校は無事だったのですが、放水で本がめちゃくちゃになり、1年間図書館が使えなくなってしまいました。
    そして、そのままなんとなく読みはぐれていた本です。

    だいたいストーリーは知っていましたが、あらためて考えさせられることがいろいろありました。
    あの当時のアメリカは、黒人を奴隷として使うだけではなく、家族すらバラバラに引き裂いて売買していたのですね。。。
    本当に人権などない道具。
    私は「奴隷」という言葉の意味を、軽く見ていたかもしれません。

    アンクル・トムはとても深く神を信じる信心深い男ですが、だからこそ、世の中の矛盾・不条理に憤りを覚えないのかと。。。
    神がいながら、なぜ自分たちがいまこの境遇なのか、神に対しても怒りを覚えることはないのかなと。。。
    いやそれとも、今の北朝鮮を見ても思うけれど、あきらめきってしまって、憤りを覚えるだけのエネルギーもないのかもしれない。。。

    子どものころ、この本を読んでいたら、また違った感想を持っていたかもしれませんが。。。

    この本の中では、白人と変わらないほど肌の白い人でも、黒人の血が混じっていると、奴隷扱いにされていました。
    前から思っていたのですが、オバマ大統領は、白人と黒人のハーフなのになぜ「黒人」としてくくられるのでしょうか。
    私はこれにすごく違和感がありました。

    これってどことなく、黒が不純物のような扱いですよね。。。
    白い絵の具に黒を少しでも混ぜてしまうと、もうその色は白とは言えない、みたいな。。。
    もともと白人のほうが突然変異だったというのにね。。。
    日本だと、ハーフとかクォーターという言い方をします。
    これは、白に黒を足しても、黒に白を足しても、どっちにしてもそれは同じ「グレー、灰色」だよね、というとらえ方だと思います。

    「あなたのような小さな方が、この大きな戦争を引き起こしたのですね」。
    南北戦争中、リンカーンにこう言わしめたストウ夫人。
    世の中に大きなムーブメントを起こした彼女の勇気はすばらしいと思いました。

  • 山田詠美曰く、「無知で、野蛮で、それ故に力を携えた一冊の本」(『ANIMAL LOGIC』138ページ)。

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