- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309467108
感想・レビュー・書評
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旧約聖書、創世記のアダムとイヴの物語はだれしも知っている話です。
人類の祖である、アダムとイヴが何を考え、何を思って生活していたのかを、『トム・ソーヤの冒険』などで知られるマーク・トウェインが描いた小説作品です。
当初はイヴのことをうっとうしい存在と思っていたアダムが、しだいにイヴのことを受け入れてゆく過程や、イヴが自らを「(神の)実験台」ととらえて、アダムのことも含めて様々なものごとを観察したり考察したりしている様子は、いわゆる「男女」の考え方の違いとしても楽しめましたし、現代の社会においても生じる「すれ違い」が、原始の世界からあったのだと思わせてくれます。
宗教的(キリスト教の知識など)な記述も散見されますし、文学作品としてどのように分析すべきか、などを考えれば難しく感じる作品だと思いますが、そういったことに囚われずに、男女の日記を覗き見ている感覚で読めば、気軽に楽しむことができるように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
特にイヴの日記は現代社会からすると、一見かなり前時代的な帰結。
でも、人間の存在に対する秀逸な風刺だと思うと、マークトウェインが150年も前に書いたものなのに、いま読んでも全然古くない。 -
アダムの日記が素っ気なくて淡々と事実を語っていく感じ、イヴの日記が表現豊かなところがまず男女の性質の違いを大きく感じた部分だった。
読んでるうちに、男女はそれぞれ役割をもって生まれているわけで、この世の中男も家事や育児をすべき、女性は社会進出すべきみたいな風潮が果たして正しいのかしらと疑問に思った。
性別なんて関係ない!のかもしれないし、自分自身も女だからって舐めないでほしい!とか家事するの当たり前じゃないんですがとか思うけども、創られた段階では女はうちで家事と育児と地域コミュニティへの参加をする想定だったんだよね。
あぁなんか欠陥人間って言われてる気がする。 -
アダムさんたいへんそうだけど、モテるアダムさんですな。
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アダムとイブのすれ違い日記。と思いきや、原罪となるリンゴを食べた後は、お互いの気持ちが寄り添い、男女関係の始まり。
まるでリンゴと、唆したヘビが二人に祝福を与えたよう。マーク・トウェインの人生賛歌ではないか。
生き物は生と死があるから美しいという。 -
読みやすい。人間ってなぜ造られたのだろう。。
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・絶え間なく注意することは、支配権を得るための代償なのだ。
・それは慈愛にみちた善良な心こそ富なのであり、これ以上の富はないのであって、そうした心がなければ知性は貧困なのだ、ということだ。
・たとえどこであろうと、彼女のいたところ、そこがエデンだった。 -
こういうものを書こうと思いついてしまう時点で面白い