ワケあって滅亡した帝国・王国: まさかの真因を解き明かす! (KAWADE夢文庫 1156)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309485560

感想・レビュー・書評

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  • 世界を横断的に捉えて時系列に帝国滅亡を記述した本。
    それ故、中身は非常に簡単にまとめているので時代の流れを掴むのには適した内容になっている。

  • 軽いノリの読み物。
    内容は濃くないが、短いなりによくまとまっている印象。そのためページ数(約220ページ)ほど薄い内容ではないとは思った。

    頻繁に世界地図を挟んでいる点は、それぞれの時期での世界の情勢をつかみやすく、かなり良いと思った。この地図は16世紀の新大陸発見のタイミングで旧世界だけのものから全球の地図へと広がるのも面白い。
    高校生時代に文明間の地域を超えた横のつながりや時空間変化を把握することに少し苦労したので、世界史の教科書(資料集?)に採用しても良いような図だと思う。著者は予備校講師のようなので、そこからのアイディアかもしれない。
    各帝国ごと数ページで区切られているので通勤など短い時間に読むのにもちょうどよさそう。

    中国の王朝のみ国名が「○○帝国」という書き方になっていたが、かなり違和感があった(ex. 唐帝国)。一般名にするか""でもつけておいた方が良い。
    また、違和感を感じる内容も時々見られる。
    4〜5世紀の遊牧民族の大移動については、中央アジア付近のフン族の隆盛による玉突きであるのに、民族大移動の"ブーム"としているのはいただけない。移動したくてしているのではなく、より強い勢力が周辺を圧迫して、それが連鎖しているだけのことなので明らかに誤解を招く書き方。
    神聖ローマ帝国の部分も、イタリアやフランスにちょっかいを出しまくった記述が全くなく、その関係の100年戦争で国土が荒廃(帝権の弱体化)したことなども書いていない明らかな記述不足。そのくせ教訓の部分では「イタリアへ手を出しすぎた」では内容がちぐはぐになってしまい、知識がない人には意味がわからない。
    フランスのブルボン朝は滅亡時だけの記述なので世界史の知識がない人は太陽王のことも、カロリング朝(西フランク)からヴァロワ朝(ブルボン朝の前)へと王家が変遷していったこともわからないので、フランク王国の分裂からフランス王家の断絶までに大きなブランクができてしまう。きょとんとしてしまうのではないだろうか。
    終盤は著者の年代なのだろうか、共産主義(ソ連かも)憎しの気持ちがにじみ出すぎている気がした。

    毎回最後にある教訓はなんか的外れなものが多い気がして「いらなかったのでは?」と思ってしまう。

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著者プロフィール

◉──東京都出身。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究員を経て、聖心女子大学文学部歴史社会学科兼任講師となる。おもな著書に『東大生が身につけている教養としての世界史』(河出書房新社)、『歴史が面白くなる東大のディープな世界史』(KADOKAWA /中経出版)、『エリア別だから流れがつながる 世界史』(監修、朝日新聞出版)など多数ある。

「2023年 『箱庭西洋史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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