世界ぐるぐる怪異紀行: どうして”わからないもの”はこわいの? (14歳の世渡り術)
- 河出書房新社 (2024年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309617626
感想・レビュー・書評
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「わからない」ものはどうしてこわいのか。文化人類学者たちが世界各国の怪異を紐解いていく本。
文化人類学の本を読んでいると世界は広いなあ…と当たり前のことを思うし、みんなそれぞれ理解しがたい文化がある。でもそれはそこで生まれて育った人にとっては大切な習慣だったりする。自分とは違う人・もの・ことがこれだけあるということを知るのは他人を画一的な物差しでジャッジせず、その人自身を知るということに繋がると思う -
世界各地の怪異を文化人類学者らが語る。
オカルトに走らず安易な意味づけもせず、当地の人々にとっては当たり前のこととして紹介する。怪異の物語が生活と直結するのはどの地も同じ。多様な世界を知り、視野が広がる。 -
ホラー好きなのでそういう興味で買ったら、真面目な文化人類学の話を、いろんな専門の先生が優しい口調で丁寧に説いている本で、何かしみじみしてしまった。
すごく文章の良い人ばっかりで(中学生以上向けだからもあるにしても)、全然わかってない人間でも読めそうな本をほかに書かれてたりは?あっこの先生のは古本で高騰している…!(「呪われたナターシャ」)とか、久々に色々読みたくなった。
ロシアの呪術の、どうやって呪われたと気付くのかの話、中国の、先祖の供養と鬼の供養の寂しい話、オーストラリアの人喰いのマムーがネットでも健在の話が特に好きだったのと、
パナマの、先住民エンベラの人々が「私たちが信じていることなのだけど」「これは自分たちの信念である」という前置きで語る川の怪異の話で、学者さんが「なぜお前はアントミャに襲われないのか」と聞かれた時に、自分はいまアントミャがいる側の世界にいる者として尋ねられてるんだ、と気付くところ凄かった。