人類の物語 Unstoppable Us ヒトはこうして地球の支配者になった

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309629315

感想・レビュー・書評

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  •  サピエンス全史を噛み砕いてわかりやすくした本であり、オーディブルで復讐するにはgood。

  • 『サピエンス全史』の著者による、人類のこれまでが描かれた児童書です。
    人類とは何なのか、ホモ属のみんなはどこへ消えたのか、サピエンスは他と何が違うのか、動物消失の理由が児童向けに解説されていますが、年齢を問わずに役立つこと請け合いです。
    サピエンスが手にした不思議なパワーは幾つかありますが、無いものを有ると仮定できることや集団で行動できる点が大きいのだろうと感じました。
    ネアンデルタールなどの他人類や様々な大型生物を絶滅させるまでその力をフル活用してしまったことについては、サピエンスの一個体として残念に思います。
    ネアンデルタール人やデニソワ人や小型人類がもし現代でも共に生きていたとしたら楽しそうであるとも思えるし、サピエンスの行き過ぎた行動を戒めてくれそうな気もします。
    しかし彼らはもういないので、我々は同じ轍を踏むことのないよう慎重に本当の意味でホモ・サピエンス(賢い人類)になるしかないのです。

  • ホモサピエンス全史が多くの人の心を打つのが分かる。児童図書のこの作品で十分なくらい楽しい。
    Audibleで拝聴後、子どもに読み語りしたくて即ポチ。

    しかし、届いてみて絶望。

    人間がちょっとやそっとで音読できる量ではない。そりゃそうだ。Audibleでも5時間分。2時間弱だと思っていたのは3.3倍速で聞いてるから。(プチ承認欲求)
    ガチで読んでも向こう3ヶ月はかかるぞ。毎日くちびるをカサカサにしながらだ。唯一の利点は、読んでる最中に子どもが全員撃沈することくらい(笑)

    人類を地球の支配者たらしめたスーパーパワーとは一体何だったのか。私からしたら、その絶滅の量産にどんな悪意があったのかと思う。なんでみんな消えちゃったの。なんで人類はこんなに強いの。

    私一人は、こんなにも弱いのに。


    その答えを、親が考えなくて良くなった。良著。

  • 私たちが歴史を学ぶ意味を改めて考えさせてくれる一冊です。1人では大した力を持っていない(野生動物と一対一で向かい合えば、たいていの場合は勝つことができないくらいひ弱な)「人間」という生物が、地球を文字通り「支配」し、多くの動物を絶滅に追いやり、地球環境を破壊するほどのパワーを持つことができたのはなぜなのか。
    人間だけがもつ、そのパワーの正体と、それがどのように他の生物を圧倒して地球環境を激変させてきたのか、人類の「発展」の歴史(と、それによってもたらされた悲劇)を、小学生高学年くらいから中学生の子どもでも分かるように丁寧に説かれています。

    考古学の発見から想像できること、たぶん「確かだろう」とかんがえられること、あり得るけれども本当のところは「わからない」こと、これらをきちんと書きわけているところも、筆者の誠実さを感じます。
    筆者を有名にした『サイエンス全史』はまだ読んでいませんが、本書を読んで是非読んでみたいと思うようになりました。

  •  『サピエンス全史』の焼き直しではあるが、漫画本『サピエンス全史』よりは、ちゃんと対象を想定して分かりやすくまとめられている気はする(漫画本のほうは、「人類誕生編」で頓挫したかと思ったが続編がまだ1冊あるようだ。内容が難しいまま漫画で説明しようとすると、だんだん内容と漫画テイストが乖離していくように思うが・・・)。

     原本で使用していた「認知革命」という言葉は使わず、ホモ・サピエンスのなにがスーパー・パワーだったのかを説明し、それを用いることで地球上の覇者となりえたという経緯を辿る。そして、そのパワーゆえに、責任ある行動を - 特に地球環境に対し - 小中学生に分かりやすく説いたものだ。

     その後の「農業革命」「科学革命」へ続くのかと思ったが、そこは語られず。集団で協力すること、想像力を、分かりやすくスーパーパワーとして説明するに留める。そこまでにするなら、終盤はちょっと説教臭い、というかやや蛇足感。

     でも、小学生の甥っ子たちに読ませるには良い。
     お正月のお年玉副読本として買っておく。

  • ホモサピエンスは「虚構」(本書では物語)を信じることができ、それを他者と共通認識として持つことができるから集団で大きな力を発揮できる。サピエンス1人だけでは微々たる力。
    虚構を作り上げれば皆を、世界を支配できる。言い換えれば、世界を支配したければ新しい虚構を作り上げてそれを皆んなに伝えばいい。
    最終的にはそんな締めくくりだったけど、なるほどなーって感想と、あとサボらずにちゃんとサピエンス全史読もうと思いました(笑)

  • 読みやすい本ですのでほとんどすべての世代の人たちが読むことが出来ます。

    一応は人間達は全体としては、この地球上の生命の中では大変な強者であり、それだからかこそ現在まで生き残ってきている。

    «〖私たちの祖先が、今ある世界を作り上げてきた。未来の世界がどんなものになるかを決めることが出来るのは私たちだ。
    この世界を今のようにしたのは人間です。そして人間は、この世界を変えることができます。もしも世界に何かひどいことがあると思えるなら、もしかしたらあなた自身の力で、もっと良いものに変えることが出来るかもしれません。〗»

    インドネシアフローレス島の滅びた小型の人類
    小型の人とネアンデルタール人とでデニソワ人の他にも、大昔にはたくさんの種類の人類が地球上で暮らしていた。
    しかし私たちの祖先は「ホモ・サピエンス」ラテン語で「賢いヒト」という意味。

    人間達のことを危険な生き物に見えなかったため、警戒されずに簡単に滅ぼされてしまった。

    誰も気づかないような小さな変化でも、時間がすぎるにつれてつみかさなると、大きい変化になる。……小さな変化しか起きないから、……やっぱり変化には気づかない。でも時間がたつにつれ、小さい変化がつみかさなって、とても大きい変化になる。

    クジラ保護の話は反捕鯨で、日本にとって悪いことなのではないのかと思いました。

    人間は世界じゅうで一番危険な動物。
    私たちの祖先はそのすべてを、人類だけが持つ能力を用いてなしとげた。

  • そうやって、我々は、地球の上を支配していったのか。自然を支配することはまだできんけど。

  • 図書館の児童書新刊コーナーより。
    この作者が書いた児童書ってどんなのだろうと、気になったから借りてみた。

    読むまで間違って覚えていたのは、「ネアンデルタール人は人類の直系の祖先だ」ということ。
    並列で存在していた、別のヒトだとは知らなかった。
    一部ではネアンデルタール人の血を受け継いでいる人もいるみたいだけど。

    人類が世界を覆った理由が、「物語を作ること」と「大勢で力をあわせられること」でまとめてあるのが、シンプルでわかりやすい。
    本当はもっとあるんだろうけど、児童書として伝えるためにそぎ落としたんだろうな。

    自撮が手形のエピソードは面白い。あと、壁画が家族じゃなくて動物という疑問は持ったことがなかった。
    この着眼点も面白い。

  • 600万年前とも言われる人類の誕生からホモサピエンスが世界に広がっていったところまでを小学生にも分かりやすく解説したもの。
    この期間における重要で知っておくべき基本的な事項を学習することができる。
    当然ながら我々大人にとっても知っておきたいことが多い。

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著者プロフィール

歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。

「2020年 『「サピエンス全史」「ホモ・デウス」期間限定特装セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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