イスラームから見た西洋哲学 (河出新書 021)

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  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309631745

感想・レビュー・書評

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  • 非イスラム的観点からの著者の様な言説を山のように見聞きして暮らしてきているのでこれをもってイスラムとの関係が明快にとは思わない。
    様々なイスラムが居るだろうし、原則を何処まで適用するかにもきっと議論があるだろう。
    ただ、雰囲気は伝わってくる。
    相違がある。前提も違う。
    理解への第一歩にはなる。
    また様々見聞した後で読み返してみたい。

  • イスラーム思想の歴史的推移を追いながら、西欧哲学思想を対置して紹介してゆくエッセイ。
    もともとこちらにイスラーム思想自体の知識が少ないので、西欧哲学を対置してもそういうものなのか、という理解しかできないのだが、筆者のアピール(アジテーション?)によれば西欧的な人権・自由思想の究極として現れるニヒリズムを克服するのがイスラームであると説く。ニヒリズムの議論についても終章で足早に通り過ぎるのみであり、ニヒリズムに対してイスラームの優越性(超越性?)があるという議論についても十分な議論には到らず。また、たとえばタリバンに対する積極的評価もあるが、イスラーム原理主義などの位置づけについては言及されていない。まさかそれまですべて無価値であると断ずるものではなかろう。
    企画と紙数の都合もあるだろうが、基礎的なイスラーム思想のアウトラインや哲学者・著作の紹介を行うか、後半における現代世界におけるイスラーム思想の価値を論じるかのいずれかに絞るか、あるいはそれぞれ独立した著作として読みたいものである。
    以下気になるポイント
    ・イスラーム法哲学とケルゼンなどの近代法哲学の比較。p.194
    ・ロダンソン「イスラームと資本主義」(岩波書店)p.126
    ・バーキル・サドル「イスラーム経済論」(未知谷)p.143

  • 129-N
    新着図書コーナー

  • 悪い内容とは言わないが、イスラームについての理解があまり進まなかった上に、やや独特の雰囲気のある西洋哲学概説となっており(おかしな概説というわけではない)、自分向けではなかった。違うテーマなら面白いかもしれない……とは思ったが。前期ヴィトゲンシュタインが神学的に見どころがあるというのは面白かった。

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著者プロフィール

中田考(なかた・こう) イスラーム法学者。イブン・ハルドゥーン大学客員教授。著書に『イスラームの論理』『帝国の復興と啓蒙の未来』『13歳からの世界制服』『ハサン中田考のマンガでわかるイスラーム入門』『タリバン 復権の真実』『俺の妹がカリフなわけがない』『宗教地政学から読み解くロシア原論』など多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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