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- Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309704937
作品紹介・あらすじ
近代以降、最も重要な詩人ヘルダーリンの全貌を不世出の名訳でおくる決定版全集。本巻には、詩と哲学のもっとも深遠な融合、孤高の名作として誉れ高い小説『ヒュペーリオン』、未完であるがゆえに、壮絶な輝きを放つ悲劇『エムペドクレスの死』を収録。
感想・レビュー・書評
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所収の「ヒュペーリオン(最終稿)」は、ちくま文庫のほうで読む。
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これは名訳です。一方、岩波文庫版は1930年代の訳なので避けましょう。
ヒュペーリオンは、全てが美しい詩で成り立っています。手紙の地文・会話ともに全て詩のように構成され、風景やギリシャの神々のモチーフを多用してその繊細で情熱的な内面をぶつけ合う。この物語で、あなたはページを開く度に心洗われる思いをするでしょうし、悲しみに揺さぶられることもあるでしょう。また、表現・人物共に詩的であるので、これ一冊読みこむだけで『文学青年(笑)』になれるかも知れません。
一つの大きな作品であることに間違いはなく、青年期のニーチェが愛読し、そして私も繰り返し読むでしょう。
クレッチマー曰く「天才的精神分裂病者ヘルダーリン...彼の小説『ヒュペリオン』なども、夢の島のように超時間的で孤独で、動きというものを全く持っていない。この作品の中では登場人物たちが、全く非人間的で、透き通るほど繊細な理想の姿をとって現れ、己の意志を持たずに、ほとんど音楽にも等しい言葉のよっく今日のままに上へあるいは下へと浮動している。...」(『天才の心理学』岩波文庫より)
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