谷川浩司の戦いの絶対感覚 (最強将棋塾)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309731346

感想・レビュー・書評

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  •  将棋のプロ棋士である谷川浩司先生が自らの対局から50局を選び、ポイントとなる局面における読み、そして自身の大局観を解説している本。
     谷川先生と言えば、伝家の宝刀の「角換わり腰掛け銀」と、深い読みに裏打ちされた切れ味鋭い終盤の「光速の寄せ」を武器に一時代を築いた、天才揃いのプロ棋士の中でもトップ中のトップである。対羽生戦で谷川先生が指した77桂馬や57桂馬(将棋ファンなら、符号を聞いただけであぁあれねとなる方も多いだろう)は歴史に残る超絶妙手であると言えよう。あの藤井二冠も、尊敬する先輩プロ棋士として彼の名を挙げていたりする。
     序盤編・中盤編・終盤編とあるが、圧巻は終盤編で、いったい何手先まで読んでいるんだという感じ。流石は「光速の寄せ」。永世七冠で有名な羽生先生との対局はゴールデンカードと呼ばれたが、本書にも谷川-羽生戦が多く収められている。50局のうち殆どは谷川先生の勝局だが(当然と言えば当然である)、対羽生戦に限っては敗局も収められており、谷川先生にとって羽生先生というのは最強のライバルとして特別な存在だったのだな、と。
     かなり高度な内容なので、高段者はともかく僕のような低段者や級位者が本書を読み実戦に役立てられるかというと正直微妙な気がするが、(僕のような)谷川先生ファンにとっては読んでいるだけで「先生すげー」となってそれだけで楽しめる。巻末には50局の棋譜も載っているので棋譜並べにも良いと思う。

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著者プロフィール

谷川浩司(たにがわ・こうじ)
1962年4月6日生まれ  兵庫県神戸市出身
1973年 5級で若松政和八段門
1976年12月20日 四段
1984年4月1日 九段
 1983年、第41期名人戦でタイトル戦初登場にして名人位を獲得。21歳の名人は史上最年少記録。1997年、第55期名人戦で通算5期獲得で「十七世名人」の資格を得る。2002年、通算1000勝(特別将棋栄誉賞)達成。2012年12月から2017年1月まで日本将棋連盟会長。
 タイトル戦登場は57回。獲得は竜王4、名人5、王位6、王座1、棋王3、王将4、棋聖4の27期。棋戦優勝は22回。
 著書は「月下推敲」、「光速の終盤術」、「光速の寄せ」シリーズ、「光速の詰将棋」、「完全版 谷川流寄せの法則」(日本将棋連盟)など多数。

「2019年 『谷川浩司の将棋 振り飛車篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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