図説 英国 美しい陶磁器の世界: イギリス王室の御用達 (ふくろうの本)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309762944

感想・レビュー・書評

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  • 最後に年表も載ってるから、時代を整理しながら、背景を知りながら読めた

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  • イギリスの陶磁器について歴史、代表的な窯を豊富なカラー写真で紹介。歴史を知ってより興味が湧いてくる。

    著者の「Cha Tea紅茶教室」は2002年、山手線日暮里駅近くの代表講師(の自宅英国輸入住宅)を開放してレッスンを開催。同じふくろうの本「英国の住宅」の共著者で、そこで住宅も披露されていて、テーブルの上のカップ、暖炉の上の皿、階段のはめこみタイルなどの写真がある。

    ヨーロッパのマイセン窯、セーヴル窯などはほぼ「王立」として発展し高価だが、英国は「民間」主導で発展した歴史があり、顧客対象に民衆も含まれ、実用の美もあるという。マイセン窯は1710年にザクセン(現ドイツ)に、セーヴル窯はフランスで1738年に前身が創立。英国では1642年からの清教徒革命をへて絶対王政から立憲君主へと移行し始めていたため、「王立」ではなく「王室御用達」という形をとったという。

    王室御用達は「ロイヤルワラント」といい、それを授与できるのはエリザベス2世、フィリップ殿下、チャールズ皇太子の3人。5年ごとに再審査される。ウェッジウッド窯は御用達。

    「チェルシー窯」1743、ロンドンの高級住宅地チェルシー地区で、フランス人の金細工師グウィンとベルギー出身の銀細工師スプリモントにより英国最初の窯として創業。1763年スプリモント没に伴い売却され、1770年ダービー窯の所有者へと権利委譲、職人もそこに移った。

    「ボウ窯」2番目に創業。1744年、ガラス商と絵付け師がロンドン郊外のボウに設立。1747年に本格稼働し、柿生衛門様式や龍、牡丹、鶉などを描いた「シノワズリー製品」を製作。牛の骨灰を入れた「ボーンチャイナ」の発明(1748)、銅板転写技法の開発(1753)をする。しかし1760年、ライバル競争に負け閉窯。「ダービー窯」に買収され技術は受け継がれる。

    以下を章たてで説明
    「ダービー窯」~ダービーの地に根付く
    「ウースター窯」~職人のこだわりで生き抜く
    「ウェッジウッド窯」~企業家のモデルとなった
    「スポート窯」~英国陶磁器の基礎を作った
    「ミントン窯」~ヴィクトリア女王に愛された
    「ドルトン窯」~ロンドンの街を救った・・1820年代後半、浄水器の開発、のち水道管、下水管も生産、ロンドンの衛生状態を向上させた。

    2020.10.30初版

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著者プロフィール

2002年開校。美術展示やドラマ・映画の台本監修、ティールームオーナー・紅茶講師を養成。『図説英国紅茶の歴史』『図説ヴィクトリア朝の暮らし』(河出書房新社)、『名画のティータイム』(創元社)等多数。

「2023年 『図説 英国 クイーンとプリンセス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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