一冊でわかるスペイン史 (世界と日本がわかる 国ぐにの歴史)

  • 河出書房新社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309811086

感想・レビュー・書評

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  • 昨年から西ヨーロッパの歴史について独学しているが、ただの趣味なので、自分が興味を持った一部の年代と分野に限っていて、20世紀についてはほぼノータッチ。

    しかし先日、原田マハさんの『暗幕のゲルニカ』を読んだら、丁度その私が無知なところの20世紀のスペインの情勢を理解する必要性が出てきた。
    『暗幕のゲルニカ』を読んでいる時に並行してインターネットで調べたりはしたが、その部分の知識の復習をしようと思い、本書を読んでみた。

    とは言っても、本書はもちろん紀元前から始まっているので20世紀にたどり着くまでが、まあ大変。
    でも、イタリア語を勉強していると時々テレビから漏れ聞こえてくるスペイン語やポルトガル語もわかったりするのだが、「それもそのはずだ」ということを知ることができた。
    領土や宗教、実にごちゃごちゃしている。

    そして自分が勉強した年代はさすがに読みやすい。
    しかし今までに読んだ様々な書籍から得た情報を書き留めておいた自分のメモによると、フェルナンド6世は「精神疾患で城に幽閉され在位13年で死亡」という残念なものだが、本書によるとフェルナンド6世は「軍の強化、財政の改革、文化の振興など、さまざまに辣腕をふるいました」という1行のみ。
    (もしかしてこの人も、フェリペ3世や4世と同じく、寵臣に国政を任せた?)
    同一人物でも、読む書物によってまるで別人のよう。

    1808年ボナパルト朝以降、飛ばし読み。
    (この間、植民地の独立運動・女子の王位継承権復活に際して支持者の反乱・クーデター・短い第一共和政・王政復古・第二共和政などと、またまた目まぐるしい)

    そしていよいよ『暗幕のゲルニカ』を読んだことによって知った、1936年「反乱軍(フランコ)vs人民戦線政府」のスペイン内戦へ。
    【1937年4月26日 ドイツによるゲルニカ無差別爆撃】
    (反乱軍側はヒトラー政権のドイツとムッソリーニ政権のイタリアから支援を受けていたから。そしてバスク地方は人民戦線政府側の地域だったから。)

    その後、第二次世界大戦中スペインは形式上は中立国→フランコ体制→国際社会から孤立→東西冷戦でアメリカがスペインを取り込んだことにより国際社会への復帰

    フランコ政権への反体制派、バスク独立の為の武装集団「エタ」…(『暗幕のゲルニカ』に出てきた)は2000年代にもテロを繰り返す。

    1975年フランコ長期独裁体制の終わり→フアン・カルロス1世が即位し、また王政復古、でも民主化→1983年、自治州国家(バスクとカタルーニャはいまだ独立志向にある)

    このフアン・カルロス1世については以前にも読んだり調べたりしたことがある。
    失礼ながら、まあ色々やらかしたおっちゃんという印象。
    一方、ピカソの【ゲルニカ】をニューヨークからスペインに返してもらった時の国王である。
    そしてこのフアン・カルロス1世の息子フェリペ6世が現在の国王である。
    (本書には書いていなかったが、確かこのフェリペ6世は、しょうもないお父ちゃんフアン・カルロス1世を国外追放したんじゃなかったかしら?)

    ふー、長かった。
    途中少し飛ばし読みしたが、わかりやすいので、シリーズで出ている他の国も読んでみたい。

  • スペインの栄枯盛衰をスピーディーにまとめた一冊。
    所々イラストや地図でイメージを掴みやすくなっている一方、無機質で淡々と進んでいく印象。
    同じ一冊でわかるシリーズでも、著者によってわかりやすさが異なりますね。。。


    「イギリス史やフランス史でスペインの名前はよく聞くけど、スペイン側から見るヨーロッパ史はあまり聞いたことがないな~」と思って読んでみました。

    自分は理系で世界史はノータッチだったせいか、近現代の内乱あたりから勢力図が分からなくなった。歴史初心者のわたしには、政党を”右派”、”左派”の言葉でまとめられるとさっぱり。。。


    栄光盛衰とはスペインのための言葉と思うような歴史でした。大航海時代に世界の覇権を取ったスペインがなぜ内戦で自滅しちゃったのか。。。そのあたりの解説も欲しかったです。

  • 2024/03/11
    スペインへ向かう飛行機のなかで読んだ。全然世界史を知らない僕でも楽しく読めたし、旅行をより楽しめた気がする。

  • スペインの勉強

  • スペイン旅行に行くので、速読。
    とりあえず簡単にスペインの歴史の流れをつかむには良い本。
    中身は歴史の羅列だが、本の性格上仕方がない。
    それにしても スペインはコロコロと統治主体が変わったのだなあ!
    フランコとイスラム統治とアメリカ大陸征服ぐらいの認識だったが・・・
    紀元前15000年 アルタミラ
    紀元前227年 カルタゴ人
    紀元前197年 ローマがカルタゴに勝って属州ヒスパニアに
    418年 ゲルマン人大移動で西ゴート王国
    711年 イスラーム侵入 ウマイヤ朝
    722年 レコンキスタ(再征服)始まる
       このへんでアストウリアス王国、ナバーラ王国、レオン王国、ガリシア王国
       アラゴン王国、カスティーリャ王国などなどができたり消えたり
    1086年 イスラムのムラービト朝、ムワッヒド朝
    1236年 大レコンキスタ始まる
    1492年 グラナダ陥落 イサベルとフェルナンドによる統治
        コロンブス
    1516年 スペイン・ハプスブルグ朝
    1521年 コルテス アステカ侵略、ピサロ インカ侵略
    1571年 レバントの海戦でオスマン帝国に勝利
    1588年 無敵艦隊がイギリスに敗北
    1605年 ドン・キホーテ発表
    1700年 スペイン・ブルボン朝
    1808年 ナポレオン侵略、スペイン独立戦争
    1873年 第一共和政
    1874年 王政に戻る
    1931年 第二共和政
    1936年 スペイン内戦 ゲルニカ
    1939年 フランコ独裁体制
    1975年 フランコ死去 民主化開始
    1992年 セビーリャ万博 バルセロナオリンピック

  • 他のヨーロッパ諸国と全然違う独特な歴史。

  • スペインのおおよその成り立ちを把握することができた。第一次世界大戦以降の近代においては少し分かりづらかったものの、そもそも複雑な歴史を歩んできた国だということが理解できた。アラゴン連合王国とカスティーリャに分かれていた頃からのわだかまりで、現代でも本質的に相入れないのだろうか、と想像。

  • あまり知らないスペイン史について、一気に読める本。

  • バスクとカタルーニャ独立したがってるの知らなかった。

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著者プロフィール

南山大学外国語学部准教授。

「2021年 『一冊でわかるスペイン史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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