浅井長政正伝: 死して残せよ虎の皮 (人物文庫 す 3-1)

著者 :
  • 学陽書房
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (600ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784313752283

感想・レビュー・書評

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  • 初鈴木。YouTubeの講座等で有名な著者の作品。教科書より少し面白い程度、だろうか。御本人も動画で言っていたが、本当に才能がない…。もう彼の作品を読むことはないだろう——。

  • 信長と長政の関係を、衆道を通した愛憎劇という視点から描こうという意欲は分かるのですが、全体的に人物描写が軽薄すぎて何もかもが説得力に欠ける。
    まず、長政が離反するに至る心の動きが中途半端で腑に落ちないし、離反後から急に「愛」という言葉が多用され、しかしながら、それまでの経緯から「愛」があまり読み取れなかった為に、取って付けたような唐突感が否めない。
    更に「憎」に至っては、信長の態度が温すぎて、どうにも迫力に欠ける感じです。
    また、長政の父に対する心理にも説得力がなく、嫡男・万福丸との別れの言葉にも何ら含蓄が感じられませんでした。

    そもそもが、主人公の長政にアクが無く、あまりにも平凡過ぎて魅力がないのが問題。
    死後、信長が髑髏杯まで作ってしまったぐらいなのだから、もっと強烈な人物像と憎悪を描いて欲しかったです。
    (髑髏杯については信長の無信心で話が終わってしまったので肩透かしでした)
    寧ろ、信長と義昭の反りの合わなさっぷりの方が、コミカルで面白く感じました。

    最後に、冒頭のシーンについて。
    寝物語に説明臭い長政の生い立ち話を延々と聞かされつつも、ご丁寧に相槌まで入れてしまう信長に最大の違和感。

  • 私の認識では、浅井長政は『お市様のダンナ』
    アイドルの夫扱いみたいで申し訳ない。
    しかし、それゆえ、どんな人物なのか興味があり、この分厚い本も頑張って読破しました。

    作品中で、大人物、戦上手、家族思いの良きパパとして描かれているけれど、どうしても、一番の魅力キャラは秀吉で、次点では、描写の多い信長となってしまう。
    特に信長は、最近のイメージ、恐ろしい第六天魔王ではなく、繊細で慎重な人物に描かれている。
    そう言われてみれば、甲高い声だったという記録や、残っている肖像画が、いかにもそんな感じである。
    信長視点の描写部分がほとんどと言っていいほど多く、こちらに感情移入してしまうのは仕方がないかも。
    そのあたりは、著者がいかに頑張っても、出来あがったイメージや、人物本人にも由来するので、仕方がないといえば仕方がないが…
    読み始めて突然のカップリング描写に驚く。
    これ、どこかに記録とか噂あるんですか?
    もしかしたら、すごい駄作なんじゃないかと恐れつつ読み進んだら、その関係以外はなかなか面白く、特に、人生訓や処世術的な文章に、ビジネス書的な読み方もできると思った。

    でも、資料の少ない人物を小説として書くのは難しいかもしれませんね…

  • 冒頭の長政と信長の会見シーンはちょっと度肝を抜かれた。

    主人公の長政をよく見せようとするのは分かるけども、そのためか信長や秀吉をちょっと低く見せ過ぎではないかな・・・。

  • 書かれてる長政像は、個人的にはまあまあ、、、、
    小説としての面白さは普通。

  • 好き嫌いが分かれる作品かもしれません、が自分は好きです。
    随所にwwwとなる箇所もありますが、人物描写がうまいので、最後まで飽きずに読めます。
    長政かっこいい!

  • 長政がすごいいいやつで、だからこそ悩む姿がよかった。
    この作品の信長はやけにデレ要素が強い

  • 史実本と平行して読んだけど、巧く書かれてて読み物として面白い。
    序盤の濡れ場(私は大爆笑だった)と人物の性格設定が好みの分かれ目っぽい。
    個人的にはちょっと違和感。

  • タイトルは長政様ですが、中身は長政様と信長様です。
    二人の対極的生き様が描かれています。
    情に篤い長政様と、利に聡い信長様。

    面白い。兎に角、面白い。


    つか、織田家は相当忙しいな(笑)。

    ・周囲敵だらけ。(味方?何ソレ美味しいの?状態)
    ・問題山積。(主に将軍的な意味で)
    ・信長様は自分でご飯も食べられない忙しさ。(小姓大活躍)
    ・信長様、ストレスで定期的に嘔吐。(辛いにもほどがある)
    もう、どうしろとwwってなっても不思議ではないレベルですね。
    これはさ、放っておいても近い内に死ねますよ、明智さん…。ああ、自ら何とかしないと満足出来ないってことですかね。

    将軍様との水面下での攻防と、秀吉の柔軟対応(結構なツーカー)も見所。
    将軍様と信長様の、握手しつつ足の甲踏み合うような、お互いをコノヤロウ…(苛)と思い合う関係が良いです。コツコツやり合う戦術的応酬、大好きです。
    あと、秀吉のキャラが良過ぎる。
    一般人に溶け込んでしれっと出没するとか、ふわふわっと近寄って核心突いてくるとか、侮れません。曲者系万歳。


    浅井家は結構平和です。

    最初の頃は家督とか六角さんとのイザコザとか色々ありましたが、安定しているような気がします。
    お市様とラブラブ夫婦で、子供を交えてホカホカ家族。
    領地も兵数もぱっとしない(失礼な)けど、領民は感謝してるし家臣は団結してる。
    良い状況ですよね。
    そして、長政様が良い人。
    万福丸を教育したり、お父さん見捨てなかったり、家臣は大切にする。


    嗣子に対する接し方、長政様と信長様の違いも良いですね。
    愛情をどう捉えるかが、両者に抱く感想の差になると思います。

  • 衆道でござった!

    私の長政バイブル。
    最初を乗り越えれば、長政と信長の愛憎劇を楽しめますぞ!信長にはきっとああいう信義の人が必要だったんだろうなぁ。非情であるけれど、それでいて人(もとい長政)を信じたいという信長の気持ちが切のうございます。金ヶ崎以降は朝倉はもういいから織田につこうよーと思いながら読んでました(それなんて朝倉ワッショイ?)。

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著者プロフィール

1960年岐阜県生まれ。94年『めんどうみてあげるね』で日本推理作家協会賞受賞。著書に『浅井長政正伝』『信長と信忠』『お市の方』『織田信雄』等多数。主宰する小説講座からは各文学賞受賞者を多数輩出。

「2020年 『新・時代小説が書きたい!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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