プライベート・ゲイ・ライフ: ポスト恋愛論

著者 :
  • 学陽書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784313840508

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りて読んだ。
    私自身もゲイであるが、著者自身の経験は共感できるところが多かった。著者の経験の部分については、今思春期を迎えている人がどう思うかを聞いてみたいと思った。将来、似たジャンルの本を今の若い世代の人が書いたなら、是非読んでみたい。この本が出版された当時からは、セクシャルマイノリティへの世間の感覚も変わってきていると思うが、その中でゲイの人が感じる辛さ・悩みはどのように変わっているのかを比べてみたい。

  • ゲイが認知される遙か昔、カミングアウトするなんて正気の沙汰ではなかった91年という時代に出版された話題をさらった本。構成は「ホモとオカマはどうちがうか」とか「ゲイはアナルセックスをするんですか」などという「一般人」からのQ&Aから始まり、自身の生まれ育ち、「隠れホモ」としての涙の日々、パートナーCとの日常な日々、ウーマン・リブを横目に見つつ考えるゲイ・リブとは何かという思考の過程。
    へー、オネエ言葉ってそんな意味があったんだ、とか文化とは幻想であるのか、とか、ちょっとそそるような内容がいろいろ書いてあった。他の著書も読んでみたい。

  •  ゲイカミングアウト第一号者といわれている伏見氏の本。新宿2丁目のゲイ文化などが詳しく描かれている。また、「男制」「女制」というセクシュアリティーの説明モデルが、わかりやすく、よかった。
     この本を読んでいたところ、「何読んでるの?」と友人に聞かれ、カバーをとって表紙を見せたら、彼は「酷いな・・・」と言った。何が酷いのかよくわからなかったが、僕は、普段の会話から、その友人の、セクシャリティー関係に対する知的鈍感さをとてもよく知っているため、<お前の方がよっぽど酷いよ>と、心の中でつぶやいていた。
     この本は、瞥見すれば華やかに、おもしろおかしく、描かれているように見えるので、一般読者は「ゲイ」を、「われわれ」と根源的に隔離されるところのものとして措定し、「ゲイ」をギャグ化するという他者性の馴致化を遂行し、そうして以前とは何も変わらずに自らの自明性を担保する、という可能性も、ある。だからその点を気をつけて一般読者は、自らが自明的に準則し生きている当該の社会身体を、うまく脱構築させることができるよう、眉につばして読まないといけない。
     2009.1.24-27.

  • 文庫版もあり。

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著者プロフィール

1963年生。作家、ゲイバーのママ。慶応義塾大学法学部政治学科卒。1991 年に『プライベート・ゲイ・ライフ』にてゲイであることをカミングアウトし、90 年代のゲイ・ムーブメントに大きな影響を与える。2003年に『魔女の息子』で第40回文藝賞を受賞して小説家としてもデビュー。2013年、新宿二丁目にゲイ・ミックス・バー「A DayIn The Life」を開店。2017年、ウェブマガジン「アデイonline」を開始。

「2017年 『エッチなお仕事なぜいけないの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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