絶望のきわみで

  • 紀伊國屋書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314005593

作品紹介・あらすじ

思想家シオランの誕生。その瞬間を記録した「幻の」処女作。

感想・レビュー・書評

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  • 目の前に22歳の彼がいたとして、そして彼は間違いなくクソ野郎だと思われますが、関わる事は不快を約束されたようなものとしても、果たして言葉を交わしてみたいという欲求をスルー出来るかどうか。そんな事を考えてしまう程に、ダメな方面に於いて共感の嵐です。

  • 悲観主義者シオランの処女作。
    22歳の若さでこの作品を書いたという。
    基本路線は変わらず。
    そんな若さで何もそこまで人間に・世の中に絶望せんでも・・・と思うかもしれないが、自分も若くして世の中に見切りをつけた人間なので、読んでいて共感するフレーズがビシビシと出てくる。
    自身も書いているが「俺人間に対する呪詛を書き続けないと自殺しちゃうよ」というスタンス、何だか分かるな。
    精神病んでいる人ってブログの更新とかすげえでしょ?
    シオランが病んでいたかどうかはまた別の議論だけど(個人的には精神的に安定していたと思う)。
    うーん、やっぱり人間って嫌ですよね。
    ろくな生き物じゃない。
    この著者に全く共感できない人とは話もしたくない。
    それ以前に読んだことのある人間に現実社会で会ったことなどないが。
    だけどシオランをきっかけに友人なんて作ったら本末転倒なわけで。
    まあ毒を持って毒を制したい時には持って来いの作家。
    内容は大して変わらないだろうけど、図書館で借りれる著作は極力読んでおきたい。

  • シオランにとって、この本は、ある種の解放、シオラン自身の身を救う爆発であった。もしこの本を書かなかったら、シオランはシオランの夜に終止符を打っていたにちがいない。

    この本はシオランにとって完全ではない、とわたしは思う。話が飛び飛びでよくわからない。久しぶりにこういう本に出会った。

  • E.M.シオランが22歳のときに執筆した処女作。
    「私にとってこの本は、ある種の解放、わが身を救う爆発であった。もしこの本を書かなかったら、私は私の夜に終止符を打っていたに違いない。(序文より)」
    明晰であることは、幸福ではない。
    明晰な若者の、生の虚無に対する咆哮を読むことができる。

  • 若者に、頭ん中の普段使わない箇所を刺激されたみたいで。生や死の周辺の本質を巡る洞察は、もう、世にごちゃまんとあって、今や、お好みでよりどりみどりですよね~

    オプションの一つに”絶望”ってあると思いますが、絶望オプションでいっちゃんメジャーなキルケゴールのが割と絶望そのものの考察に終始しているのに比べると、こいつは自分の状況に引寄せての考察で、かなり主観的です。ま、若書きっつーのもありますが。熱い熱い。
    キリスト者的夾雑物(言っちゃったよ)が入らない分、日本人には読みやすい~

    この手の本を護符か免罪符のように後生大事に抱えてた時期も確かにあったような気はしますが~さすがに人生も折り返してしまうと、なんだかなあ・・・

    ほろ酔いで寝る前に読み飛ばしても、ちゃんと熟睡できる辺り、私も鈍チンに・・・っつーか、大人になったもんだ *^^*

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著者プロフィール

E.M.シオラン(E. M. Cioran)
1911年、ルーマニアに生まれる。1931年、ブカレスト大学文学部卒業。哲学教授資格を取得後、1937年、パリに留学。以降パリに定住してフランス語で著作を発表。孤独な無国籍者(自称「穴居人」)として、イデオロギーや教義で正当化された文明の虚妄と幻想を徹底的に告発し、人間存在の深奥から、ラディカルな懐疑思想を断章のかたちで展開する。『歴史とユートピア』でコンバ賞受賞。1995年6月20日死去。著書:『涙と聖者』(1937)、『崩壊概論』(1949)、『苦渋の三段論法』(1952)、『時間への失墜』(1964)、『生誕の災厄』(1973)、『告白と呪詛』(1987)ほか。

「2023年 『四つ裂きの刑〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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