創られた伝統 (文化人類学叢書)

著者 :
制作 : エリック ホブズボウム  テレンス レンジャー 
  • 紀伊國屋書店
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本棚登録 : 331
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314005722

作品紹介・あらすじ

「伝統」という言葉は当然のように、「遠い昔から受け継がれてきたもの」と思われている。だが、「伝統」とされているものの多くは、実はごく最近、それも人工的に創り出されたのだと本書は言う。本書は、おもに英国におけるそうした実例をとりあげ、近代になってから「伝統」が創り出された様子を追う。

感想・レビュー・書評

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  • 『伝統は革新される運命にあり、社会的政治的要因が働く。「伝統の創出」は、歴史社会における権力と支配、政治的事件に多くかかわっている』(巻末解説より)
    個々の論説はイギリス独自の専門的なものであり、難解。エッセンスとして、伝統は思惑で作られるし、変わっていく、という部分を抑えて、本書刊行後に日本について検証してるだろう書籍・研究をひも解いてみたい。

  • 『だまされない議論力』吉岡友治 の巻末の読書案内に出ていたもの。そのうち読む予定-「民族の伝統は実は作り上げられたものであることを検証した論文集。タータンチェックの柄はロンドンの洋服屋の考案だとか」

  • 伝統とは長い年月を経たものと解されていたが、実は最近創り出されたものが多い。歴史的な非連続性から連続性を捏造し、過去を根拠に形式化、儀礼化する過程を伝統の創出という。現在では、創られた伝統を耳にする機会が多くなっているように思えるが、この著作が出た当初はなかなか衝撃的だったのではないかと思う。創られた伝統は、国家やナショナリズムと深く関わっているので、今後も重要な論点となり続けるだろう。現在日本でも創られた伝統が多く見られるが、理論よりむしろ手段としてよく用いられているように感じる。

  • 歴史
    社会

  • (後で書きます。特にインドとアフリカの事例が興味深い)

  • [ 内容 ]
    「伝統」という言葉は当然のように、「遠い昔から受け継がれてきたもの」と思われている。
    だが、「伝統」とされているものの多くは、実はごく最近、それも人工的に創り出されたのだと本書は言う。
    本書は、おもに英国におけるそうした実例をとりあげ、近代になってから「伝統」が創り出された様子を追う。

    [ 目次 ]
    1 序論―伝統は創り出される
    2 伝統の捏造―スコットランド高地の伝統
    3 死から展望へ―ロマン主義時代におけるウェールズ的過去の探求
    4 コンテクスト、パフォーマンス、儀礼の意味―英国君主制と「伝統の創出」、1820‐1977年
    5 ヴィクトリア朝インドにおける権威の表象
    6 植民地下のアフリカにおける創り出された伝統
    7 伝統の大量生産―ヨーロッパ、1870‐1914

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    [ 参考となる書評 ]

  • 『読書の軌跡』阿部謹也より

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著者プロフィール

筑波大学人文社会系教授。文化人類学、グローカル論、観光地域づくり。著書に『開発の人類学』 『グローカリ
ゼーションの人類学』 Japanese Views on Economic Development: Divers Paths to the Market (共著)、共編著に
『講座世界の先住民族―ファースト・ピープルズの現在オセアニア』 『カルチュラル・インターフェースの人類学』
(8月刊)、共訳に『マクドナルドはグローバルか―東アジアのファーストフード』など。

「2012年 『会社神話の経営人類学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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