- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784314008884
作品紹介・あらすじ
ワールドカップから一年後、マクドナルドの「解体」という象徴的な行為によって、フランス人の運動の遺伝子を全国的に発現させ、たちまち国民的英雄になった農民がいる。本書は、一躍スターになったジョゼ・ボヴェと、その「共犯者」であるフランソワ・デュフールに、農業問題を得意にするジャーナリスト、ジル・リュノがインタビューを行なったものである。マクドナルド事件の知られざる裏話に始まり、工業化した農業の問題から二十一世紀の「市民世界」の展望までを語り、「食べ物」と「グローバル化」のあいだに張りめぐらされた網の目を解きほぐす。
感想・レビュー・書評
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ジャンクフードや牛肉文化についての本を読んでいる時に紹介されていた本。
著者のジョゼ・ボヴェはフランスにおける行動派左翼の人間だったが、1999年に牛肉輸入を禁止された報復としてアメリカ側のフランス産チーズへ課税することに反発、新店舗開店に向けて施工中のマクドナルド()を焼き払う事件を起こす。この一連の事件は多くの支持者を集め保釈金が集まりボヴェは保釈される。その後もフランス国内において名前は轟き議員になり、2007年の大統領選挙にも出馬しているようだ。
本書はボヴェの活動を振り返ると共に現代の農業市場原理の欺瞞を見事に炙り出し糾弾している。
一般的なイメージとしてフランスは豊かな農業国だというイメージがあるが、その背景にあるのは強力に戦うことのできる農業社会の本質部分があると理解した。
フランスの農業に関心のある人や実態を学びたい人は是非読まれるべし。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
未読
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フランス農民同盟の中心的人物であり、99年の仏国ミヨ市でのマクドナルド解体事件、シアトルでのWTO反対デモで名を上げた農民活動家ボヴェとデュフールのインタビュー集。多国籍企業による世界経済の歪を農畜産業という視点からするどく追求する。昨今の行き過ぎたグローバル化による工業的農業を否定し、農的農業を推進することで、各国の農畜産業を守り、推進していこうというもの。いろいろ考えさせられる。
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分類=グロバラーぜーション・食・農業。01年8月。