「うつ」と「躁」の教科書

  • 紀伊国屋書店
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314009393

作品紹介・あらすじ

身近な病の基礎知識から著名人たちのエピソード、治療法の最前線まで-一冊で幅広くカバーする、充実した内容のテキストブック。

感想・レビュー・書評

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  • 米国のクリニカル・ソーシャルワーカーが書いた、主に気分障害に関する本。まず、医師じゃないけどある程度の診断がくだせる地位であるクリニカル・ソーシャルワーカーという制度にびっくりです。

    内容に関しては、訳本にしてはかなり分かりやすく、これは監訳が大野裕先生だからかもしれません。
    何よりも一番の感想は、日本で未発売の薬っていっぱいあるんだなーということ。
    クロザピンはもう発売されてるから、他の薬に関しても発売されてるものがあるのかもしれません。
    アメリカ人患者の臨床を基にしているものだから日本にそのままあてはまらないこともあるだろうけど、かなり中立的な立場の人だな、と感じました。
    データが少ないものはきちんとそうことわってから書いてるし、どの治療法にもメリットとデメリットが書いてあって(もしかしたら製薬会社の絡みもあるのかもしれないけど)、教科書にするにはいい本なのではないかと思います。

    最後に書いてあった、「患者は自分の気分障害の専門家になるべき」っていう言葉が印象的でした。
    日本はもっと、精神疾患を分かりやすく学べる機会があった方がいいのではないかと思います。

  • 書いた人ががいいんだと思うけど、訳もよくて素人でも読みやすい本で助かります。

    気分変調症について詳しく書かれていた。
    その中でも早発性気分変調症(46ページ)というのがあって、それこそ10代から始まることがあると、この本に書かれていて驚いた。親や周囲の人たちには意外と気づかれないらしい。(この子どうして落ち着きがないのかしら?とか、どうしてこうすぐ怒ってしまうのかしら…程度)。
    気分変調症は慢性の軽いうつを伴い知らないうちに、その人の自尊心や自信を蝕んでいく。

    ゴッホの「人が遠くに見え、声が遠くから聞こえるような発作」が感覚的にわかる気がした。耳を切り落とすまではいかないけど、何度も繰り返し発作に襲われたら不安で仕方がないと思う。

    理由は不明だけど双極性障害の人は母方の家系に産後うつと、甲状腺異常がよく見られる。血縁全体にアルコール依存症と情動問題を抱えた人が多数いる。(90ページ)
    というあたりも読んでいて、へぇ…と思った。

  • 文献などからこの病気について知ることと、自分の中で生じる症状を振り返り自覚することが大切。相手を知れば、少しずつ共存することができるようになっていくかも。

  • × 在庫なし

  • もともと「うつ」だけの内容に、改定時に「躁」を追加したもので、双極性障害についての記述を期待していた私はやや期待外れ。しかし、巻末の患者にできること。サプリメント、運動、ストレス対処方法などは、参考になる。,ビタミンBは、「うつ」以外に「双極性障害」にも効果があるのか明記されておらず、残念。,しかし、この分野の医学は日進月歩で、子供らへの遺伝を決して悲観する必要はないというくだりは、力づけられる。

  • 仕事用

  • 薬物療法について詳しく書かれている

  • 単極うつ、双極性障害について、その概要から診断、治療、代替治療、家族の対応および本人の心がけについて体系的にまとめた本。2000年に出版されたものなので、最新のアップデートなデータは少ないが、うつについて病期ごとに代替治療、正式な薬物療法、精神療法を使い分けていきましょう、という主張にはうなづかされた。誤った記載も少なく、よくまとまった良書だと思います。

  • 題名どおり、鬱と躁について分かりやすく書かれた本。海外の症例ばかりだが、十分日本でも通用する内容。

  • 著者がアメリカの方なのでこのカテゴリで。
    授業で鬱病について個人発表することになったので、「一冊ぐらい手元に買っといて損はなかろう」と購入。
    けっこう使える。鬱や躁に効く天然物質の項は面白かった。なるほどねーって感じ。

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