- Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
- / ISBN・EAN: 9784314009898
作品紹介・あらすじ
世界を驚愕させ、物議をかもし、ときには汚名を着せられた10の心理学実験。いったい何が心理学者たちを衝き動かしていたのか。その実験、取り扱い注意。
感想・レビュー・書評
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タイトルがイマイチ内容とあってない気がする。
元のタイトルは"Great Psychological Experiments of the Twentieth Century."
直訳すると「20世紀の偉大な心理学の実験」となるこの本は、20世紀に行われた有名な心理学の実験について、それらの実験の概要と裏話について書かれている。
扱っているのは、
1:スキナーのオペラント条件付け実験
2:ミルグラムの電気ショック実験
3:ローゼンハンの精神医学診断実験
4:ダーリーとラタネの緊急事態介入実験
5:フェスティンガーの認知的不協和実験
6:ハーローのサルの愛情実験
7:アレグザンダーの依存症実験
8:ロフタスの偽記憶実験
9:カンデルの神経強化実験
10:モニスの実験的ロボトミー
の10本。
おそらく、大学の教養の心理学の授業でそのすべてを扱うことはないだろう。
心理学の実験の中でも、衝撃的なものばかりが選ばれて載せられている。
本書では、これらの実験の紹介がメイン。
実験の内容や主張はもちろん、実験者がどんな人だったか、これらの実験がどのような反響を受けたかなどを、筆者が実験者や被験者を取材した上で物語のようにまとめている。したがって、読み進めていく上で心理学の知識はさほど重要でないかと思われる。
「スタンフォード監獄実験」がないのがびっくり。アイヒマン関係ってことでミルグラム実験に集約されてるのかしら。それとも実験が成り立たなかったからなかったことにされたのかしら。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
学生の頃心理学が大嫌いだった僕。
だって、『人の心理が実験で解るわけがない!』そう思っていたし
心理学(あくまでも僕が受けていた授業)では実験の方法と結果を学ぶだけ
例えば『蟻は2割はサボっている。』『自分以外の人が間違った答えを言い続ければ、自分は正解が解っていてもその間違いを口にしてしまう。』等
僕は思いました
そしてレポートに書きました。
「それがわかってんだったら何とかしろよ!!」
そして大人になった今
「批判は少しでも心理学を知ってからにしよう」
そう思いこの本を手に取ったのです。
この本には10の実験の物語が綴られている。
彼らが何を想い、何を考え、何を求めて実験を行ったのか。
そして実験結果から彼らは何を得たのか。
吐き気がするほど冷酷な実験達の裏に潜む何とも人間味溢れる情熱と探究心。
心理学の実験で出た結果は
何かを創り出すためだけのものではなく
その結果を受けて我々が何を想い、どう活かすのか
それを投げかけるものなのかもしれない。
知らなかったじゃ済まされないぜ。
もっと早くこの本に出会っていればよかった。 -
【科学と哲学のはざまで】
面白かった!心理学史上、有名な10の実験について、関係者のインタビューや当時の論文や記事を駆使して、その現代的な価値を問う。著者の人道主義的な立場と、賞賛と批判に揺れ動きながら取材を続ける姿勢に好感を持った。
読み始めは、その若干の「海外文学臭〜」に臭みを感じたが、慣れると気にならず、むしろ内容そのものにグイグイと惹きつけられ一気に読み進められた。
特に、実験した心理学者本人や被験者、家族や同僚、弟子にインタビューしてその奥にある背景とその及ぼした影響を推し量るところは、単に論文を読んで批判するのとは違う深みがあって興味深い。
扱っている実験は、スキナーに始まり、ミルグラム、フェスティンガー、ハーロー、ロフタスと続き、最後はロボトミーで締める!
その探索の始めに、スキナーの(箱に入れられて育てられたとされる)お嬢さんであるデボラに、「科学と哲学を分けることはできませんよ」と恐らくはピシャリと告げられるのだが、それが啓示とでもなったかのような旅。
うーん、興味深い。よくぞこれだけ取材したもの。
ちなみに、あとがきに、「実験心理学と臨床心理学が出会う場所はあるのだろうか」と疑問を呈し、身近な臨床心理士12人に尋ねたところ、これらの実験の大半をすら知っていなかった…と書かれているけれど、日本の臨床心理士はそんなことはありません^^; 私のような異色な経歴を持つ臨床家の卵ですら、これらの実験はどれも基礎知識として知ってます!ご安心を? -
大学に入って1番最初に授業の中で読んだ本
心理学について何も知らなくても、きっと心理学に興味がわいてくる -
どれもおもしろかった!
気になっていたエリザベスロフタスのことも出てきてびっくり。ますます抑圧された〜読みたい。 -
学会論文用参考文献。
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ミルグラムやスキナーなどの有名な心理学実験を取り上げ、その概略や当事者について記述した本。専門家ではなく一般読者向けであり、かつ多数の事例を取り上げている(1件あたりのページ数が少ない)ので、詳しい記述はありません。どういう実験だったのかを知るには良いと思いますし、当事者の後日談なども興味深い。著者のスタンスに共感できない部分もありますが、まぁそういう人なんだと思って読めば許容できる程度。
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心理学実験についての物語。学術書というよりは、物語を読んでいる感じ。
心理学というものは本当に科学なのだろうか、と考えさせられた。 -
内容:スキナーのオペラント条件付け実験、ミルグラムの電気ショック実験、ローゼンハンの精神医学診断実験、ダーリーとラタネの緊急事態介入実験、フェスティンガーの認知的不協和実験、ハーローの猿の愛情実験、アレグザンダーの依存症実験、ロフタスの偽記憶実験、カンデルの神経強化実験、モニスの実験的ロボトミー
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心理学史でもない、心理実験を題材にした何かエッセイのようなものとしか言えない。粘着質で感情的な文体がまず受け付けなかった。学術的な視点、客観性を保ち公平であろうとする姿勢が微塵も感じられない。
目次だけを見て、心理学のさわりとも言える有名な実験をとりあげた本だと思って買ったものの、不愉快な文章に耐え読破してもなんの知見も得られなかった。