クジャクの雄はなぜ美しい?

  • 紀伊國屋書店
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314009942

作品紹介・あらすじ

「自然淘汰ではどうしても説明できぬ」進化論者ダーウィンの悩みの種が、美しい羽を目いっぱい広げるクジャクの雄。きれいな色の羽をもち美声を奏でる小鳥たち、歌舞伎役者のくまどりのような顔をしたヒヒ、ライオンのたてがみ、シカの角…一般に雄は美しく派手なのに、雌は地味で目立たない。なぜか。「雄間競争」と「雌による選り好み」がその答えだが、この方面の研究が近年、急展開を見せた。雌の選り好みの個性、選り好みの雌雄逆転、一夫一妻やハーレムでつがい外交尾を発見、そして雌雄の対立として「配偶者防衛」や毒の注入が大きな注目を集めている。本書は、このテーマの第一人者が興味深くその最前線の内容を紹介する。13年振りの大幅改定版。

感想・レビュー・書評

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  • 生物の進化における「性淘汰」について、様々な事例で紹介されている。
    以前は「雄は強く、雌はしとやかで従順に」というステレオタイプで動物界を観察していたそうだが、時代が進むにつれ、人間界での性の平等といった動きを反映して、動物界の雌雄についても、様々なことが観察されてきているそうだ。
    昆虫における命がけの交尾などは、『ダーウィンの覗き穴:性的器官はいかに進化したか』に詳しく記載されているな。

  • 性淘汰について詳しい行動生態学の入門書。豊富な事例をとりあげて丁寧に説明されているため、中学生、高校生からでも読みやすいと思われる。理科への興味の入り口として良いかも知れない。
    ただ、良くも悪くも著者のキャラが前面に出ており、人間のジェンダー論を時折取り上げたり、女性視点への同調を強要されるような感覚を覚えることが多々あった。それが魅力であるとも思うが、私にはやや癖が強く、気軽に再読するには粘っこい書籍だった。

  • 性選択について様々な例を交えてわかりやすく説明している本。感覚便乗モデルはなるほどと思った。

  • 性淘汰に関して、そんなに目新しいこと言ってなかった

  • テストに向けて読んでみた。
    性選択についての記述が再確認できてよかったかな。

  • ★★★★★
    最先端(2005年当時)の生物学を丁寧に、知的好奇心を奮い立たせるように解説。
    今後もまた、改訂版を出してくれるのかな?
    この本を読んでから、生物の勉強を行うと、生物が記号の勉強ではなくなるかと(^^)
    内容的には高校生からかな?でも、自然科学大好きな中学生なら、十分に読める内容です。

    (まっきー)

  • 東京大学では、学部や学科にもよるが、女子学生は一割強しかいない。現在行われている入試では、定員の一割を後期試験で取る。これは本来、特異な才能の持ち主を発掘したい、そういう意図で始まった。

  • 動物行動学では、いろいろな本をだしている長谷川眞理子さんの本。雄と雌の行動を人の偏見をはなれて、客観的に説明されています。動物行動学の入門書として最適。竹内久美子さんといい勝負!(こちらの方が学術的かな・・・)

  • 性選択、とくにメスによるオスの選り好みに焦点をあてた入門書。以前の版の出た後にわかったものはしっかり変えているところに著者の知的誠実さを感じる。

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著者プロフィール

総合研究大学院大学名誉教授・日本芸術文化振興会理事長

「2023年 『ヒトの原点を考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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