愛するということ

  • 紀伊國屋書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314011778

感想・レビュー・書評

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  • 資本主義が愛に及ぼした影響がよくわかった。
    愛するとは常に能動的であり技術であり、愛するためには決断と勇気が必要である。これについては過去に読んだアドラーの『幸せになる勇気』の内容を思い出しました。
    資本主義によって愛に市場原理が適用され、男女が商品化されてしまい愛するということが困難になってしまった。この本が書かれてから60年以上経ち、現在ではSNSやマッチングアプリという恋愛の市場化をますます加速させるようなものも現れ、愛するということがさらに難しくなっているのではないかと思います。
    「愛」という切り口でも資本主義の限界が見えてきたのは新たな発見でした。

    「人間の最も強い欲求は孤立を克服しいかに他者と合一するか」という考察は、あらゆる生物の欲求である「生存と複製」を達成するために、社会的な動物である人間の生存戦略として理にかなっていると思います。
    また、様々なタイプの愛やセッ○スについての考察も面白かったです。母と父の役目が明確に分かれているところの考えが若干古臭い気はしましたが。
    フロムの言わんとすることを多分6割ぐらいしか理解できてないので、時間を空けてまた読み直してみたいと思います。

  • 林檎の峻別ですね。別に愛ではなく、彼が神との間にどのようなポジションかで決まってしまうので、ホイットマンの「草の葉」かカポーティの「草の竪琴」読んだ方が良いです。
    論理だけで愛は語れません。
    まだエヴァンゲリオンの監督の方が価値観というか、センスはマシなく方だと思います。

  • 愛について、を超えて"生きる"中での考え方、大切にするべき軸みたいなものを見つめ直すきっかけになった。

  • 今の自分だからこそ理解を深めることができた一冊だった。
    人間関係で悩んで、変わった方がいいかもしれないと思ったのがきっかけで読みました。

    愛されないことが恐いんじゃなくて、愛することが恐い。

    うんうん。そうだったかも。
    愛せる人になるには隣人も愛せないとね。

  • 自分は、相手に勝手に期待して勝手に失望して、本当に自分勝手な生きものであったと痛感させられました。そうではなくて、自分の真ん中にまっすぐ置かれてある考え方を通して、相手を信じ続ければ、その思いをきっと届く、それこそが愛という技術であると教えてくれた気がします。資本主義との終わりなき闘い。

  • 人を愛することとはすなわちどういうことか。
    まずは成熟した人格を持って生きていないと他人を本当の意味で愛するはできない。
    変化に気づく。車を運転してる時の些細な異変をも探知できるのと同じような。
    これはおそらくモノ、ひとを愛しているからこそできるものでやろうと思ってもできることではない。
    信じることも同じだなと感じた。
    そういう意味ではこの書籍に書いてあるような、愛して子供を育て上げる両親というのは偉大で最も困難なことなのだとわかる。
    子供を育てるという立場になった時、見返して客観的にものを見るべき時に読み返したい本だ。

  • 人はどう生きるべきかという問いに対する一つの答えのように感じた。

    真の意味で愛するには技術が必要であること。その技術とは、生活の全てにおいて自ら能動的に動くことであり、相手を信じること。そしてそれは家族や大事な人に対してだけではなく、全ての人に対してそうでなければ、真の意味で愛することができるようにはならない。

    自分の殻に閉じこもりがちな自分にとって、居心地の良い場所から出る必要があるのだと感じた。
    ただ、今の自分にはできる自信はない。

    難解な部分も多く、一度読んだだけでは自分の中に落とし込めていないので、何回も読んで咀嚼する必要があると感じた。

  • ・与えるは人格の発達レベル
    ・自分を与えるのが怖いと人を愛せない
    ・与えると「与える意欲」を電波させる
    ・愛されてるから愛するじゃなく、愛するから愛される
    ・あんたが必要やから愛するじゃなくて、愛してるからあんたが必要

  • 愛とは技術


    筆者の考える”愛する”という概念について理解できそうな気がした。

    生きるということが技術であるのと同様、愛するということも技術である。
    恋愛で相手と仲良くなり、関係を持ち、情熱的に興奮したりすることが愛ではなく、それは今まで自分がどれほど孤独であったかを証明している。

    上記のこのような文章を読んだ時、ハッとした自分がいた。たしかに孤独を埋めようとして恋愛に依存してしまう人は多いし、愛とはそんな単純なものではないと思った。

    心から相手のことを愛し、大切にしたいのであれば、規律、集中、忍耐、そして相手を愛し大切にしたい!という関心を持ち続けることが必要だ、と書かれており、確かにその通りだと気づいた。

    また、自分のことを心から信じることも愛するという点においても大事だと思った。
    自分のことを最大限に信じてこそ、相手に対しても誠実で信じることができると思う。

    この本を読んで正直まだ完璧に理解はできないが、人生を歩む中で、あの時のあの言葉はそういう意味だったのか!と身をもって体験したいなと思う。

  • エーリッヒ・フロムを崇拝することに繋がった一冊
    愛についてのみならず、人間の魂にまで魔の手を伸ばす商品化について鋭い考察もが綴られている。
    この本に綴られた言葉たちは私の宝物です。

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著者プロフィール

ドイツの社会心理学者、精神分析家。1900年、フランクフルト生まれ。ユダヤ教正教派の両親のもとに育ち、ハイデルベルク大学で社会学、心理学、哲学を学ぶ。ナチスが政権を掌握した後、スイス・ジュネーブに移り、1934年にはアメリカへ移住。1941年に発表した代表作『自由からの逃走』は、いまや社会学の古典として長く読まれ続けている。その後も『愛するということ』(1956年)、『悪について』(1964年)などを次々と刊行する。1980年、80歳の誕生日を目前にスイス・ムラルトの自宅で死去。

「2022年 『今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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