マークの本

著者 :
  • 紀伊國屋書店
3.56
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本棚登録 : 207
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314011914

作品紹介・あらすじ

世界が120倍楽しくなる!
わたしたちは一日過ごすうちに、かなりの数のロゴやシンボルのマークを目にしている。街を歩けば、店の看板に、車やスニーカーの側面に、食料品のパッケージに――注意して見てみると、マークは星の数ほどある。

たとえば、とある日本酒のシンボルマークがある。
しかし、そのマークをまじまじと眺めて想いを馳せる人は少ない。
多くの人は、ただ、酒を飲みたいのだ!
では、そのマークは何のためにあるのか?
誰のために、どのように考えて作られているのか?

「ロッテ キシリトールガム」「明治 おいしい牛乳」などの商品デザインを手がけ、グラフィックデザインの第一人者として多方面で活躍する著者が、自らが手掛けたシンボルマークやロゴの制作背景にある思考と技術を解説する。
細部まで磨き上げられた秀逸なマーク120点を、関連図版とともにオールカラーで収録!

感想・レビュー・書評

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  • 〇シンボルマークはクライアントの自社への思いを凝縮したもの
    ストーリーがある
    何気なく見ていたマークにこめられたもの、デザイナーが切り取ったものを感じとれるようになりたい

    ◎はじめに
    シンボルマークはグラフィックデザインの中核にあたると思っている
    AI が台頭しているいま、あえて人間がマークを作ることに見出される意味は何なのだろうか
    著者の携わった仕事を振り返りながら、自問し、読者が考えるきっかけになれば幸いである

    気になった・気に入ったマーク
    ・国立国会図書館
     ←もちろんモチーフがわかりましたとも!
    ・キッズデザイン賞
     ←安全を反対のイメージで
    ・ロッテクールミントガム
     ←明日、買って確認しよう
    ・光村図書出版
     ←風車!深い。「風車の歌」
    ・山種美術館
     ←お洒落だ
    ・美術出版社
     ←これは試したい
    ・脳活総研
     ←プルプルしたい
    ・P . G . C . D . JAPAN
     ←富士山本を読んだばかりなので!
    ・平凡社
     ←知の上の知
    ・山川出版社
     ←山に焦点をあてる
    ・太陽の塔
     ←地元。カッコイイ
    ・ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント
     ←ダイヤモンドのパターンを円でトリミング
    ・百黙
     ←自信
    ・トイレのマーク
     ←ジェンダーレス時代。著作権フリー
    ・デザインあ展
     ←シンプル
    ・NHK エデュケーショナル
     ←卵の黄身
    ・木の屋石巻水産
     ←復興へのお手伝い
    ・ブルーブックス
     ←ブックカフェ。本と四分休符
    ・骨展
     ←コツコツって、音が聞こえてきそう
    ・真穴みかん 
     ←フリガナが、漢字に

    ◎あとがき
    クライアントへのプレゼンテーションには、三案から10案のコンセプトの違うデザインを提案する
    マークデザインの仕事は間を適切につなぐこと
    考え方の違う案が会話を生む
    マークという英語の意味
     印・痕跡・記号・商標
     …のほか、汚点、傷痕の意味もある

  • いくつも見たことのあるマークが、
    製作の裏話と共に紹介されていておもしろかった。
    時々動画の解説もあるので、20度回転とかわかりやすいです。

  • それぞれのマークのコンセプトや完成までの過程が簡潔にまとめられていて読みやすかった。あとがきを読むと、クライアントと共にコミュニケーションを取りながら作り上げることの意義や楽しさについて書かれていて、効率だけではない仕事の原点を見れた気がしました。

  • 佐藤卓さんが手がけた美しいマーク(ロゴ)集です。
    「明治おいしい牛乳」の見方が変わります。
    一見矛盾するようなコンセプトを表現するために、配色やフォントなどをこだわりを持って微調整する美しさに感動します。

  • 他業界の話だし、文量からも図書館で借りるくらいが自分にとってはちょうど良かったかも。購入したけど見返す機会はあまりなさそう。

    書き出しは、AIがマークを作れるようになった時代にあえて人間がマークを作る意味を自問しつつ、自分の作品を振り返りたい……というような内容。

    その答えは、「人間はマークに意味を持たせられる」なのかな。とはいえ、紹介されているマークの中には意味が後付けのものも結構あった(笑)

    今の時代は動画やサイトで動きをつけやすいマークの需要が高いらしい。なるほど。ただ、動きのあるマークについてはQRコードでアクセスできるようになってたけど、スマホでアクセスしたら真っ白で何も表示されなかった。

    ただの明朝体に見えるロゴや、ただの三角形に見えるロゴは、これで依頼主は納得してるのかな?三角形に込めた意味が色々と書いてあったけと、デザインに詳しくない自分は、物はいいようだなと思った。

    もちろん面白いアイデアや、なるほどと思うマークもあった。

  • いつもなにげなく目にしているマークの裏側の物語。マークってコミュニケーションなんだと強く感じました。ひとつ目はマークはそのマークに関わりある人々とのコミュニケーションなんだということ。著者は買ってくれる人だけでなく商品やサービスを作っている人がモノというレベルだけでなくモノを通したコミュニケーションを共有する仕組みと考えています。だからそれぞれにパッと見た目だけではない物語が仕組まれています。いわば語りたくなるマーク。ふたつ目はマークを作るということはクライアントとデザイナーのコミュニケーションなんだということ。最初の提案の本数とか答えを持っていくのではなくクライアントがマークつくりの参加する仕組みを考えているのが特徴的です。一個一個の案件だけでなく「あとがき」でもそこへのこだわりが書かれています。みっつ目は偶然とか時間とかコントロールされないものとのコミュニケーションをデザインに取り込む姿勢。計算通り、じゃなくてこんな感じになってしまいました、という状態をうまく形にしています。変わり続けるマークというコンセプトもいっぱいです。よっつ目が企業、商品、サービスが持っている資産とのコミュニケーション。デザイナーはポテンシャルの発掘者である、と感じました。著者の仕事のシンプルさと多様性があふれる本でした。この本を読んで思ったのは日本にはまだまだいろんな企業があっていろんなプロジェクトがあるんだな、ということ。地方にあって、歴史もあって、実力もあって、世に知られていない会社がいっぱいあることにワクワクしました。

  • 著者の手がけたロゴのデザインを短い解説付きで紹介。
    「え?これもなの?」と驚きました。

    個人的にはサクマの15369のインパクトとダジャレが良かった!でも短命だったのね…。確かに見たことなかったです。

  • 7月13日新着図書:【様々な思いを込めて作られるマーク、ロゴ。依頼主とのやり取り、選ばれた理由など制作者ならではの話が読めるなんて。ほぼ日のロゴの話、素敵です。】
    タイトル:マークの本
    請求記号:727:Sa
    URL:https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28202057

  • マーク制作は常に、組織や集団の存在意義を明確にしながらアイデアを模索する作業が肝要です。
    迷彩化しないデザイン

  • 水戸岡さんの本もそうだけど、佐藤卓さんの本も、「本質を突き詰めていく」姿勢を強く感じる。
     特に、今回は、平面なので、形と色と文字しか使えない。それなのに雄弁にデザインが語り出す。
     全てが理詰めではなく、適度に緩急が効いている。

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著者プロフィール

佐藤卓
妖怪収集家。1996年、山形県生まれ。宮城県在住。大学在学中にブログ『宮城妖怪事典(仮)』を開設。県内各地の民話や郷土史に眠る妖怪を発掘し、その魅力を広めるために活動中。本事典の表紙イラスト担当、妖怪掛け軸作家「大蛇堂」氏の個展『宮城の妖怪展』(2020年、2021年)には情報提供を行い、同イベント中の対談トークショーにも出演した。

「2022年 『日本怪異妖怪事典 東北』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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