大規模構造の宇宙論 ―宇宙に生まれた絶妙な多様性― (基本法則から読み解く物理学最前線 4)

著者 :
  • 共立出版
5.00
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 27
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784320035249

作品紹介・あらすじ

なぜ宇宙は人々を惹きつけてやまないのか?
 宇宙とは何かという,この世の中でももっとも根源的な部類に属する問題に取り組む宇宙論の研究は,現在,目覚ましい発展を遂げているさなかにある。その原動力となっているのは,宇宙観測の飛躍的な拡大である。これにより,宇宙論は単なる思索の対象から定量的な実証科学へと変貌を遂げた。
 宇宙の大規模構造は,宇宙空間に広がる数億光年?数十億光年にもおよぶ大きな構造である。ビッグバンから始まる宇宙の歴史の中で,大規模構造がどのように形成されてきたかを探ることは,この宇宙そのものの起源を探ることに直結している。宇宙の大規模構造を用いた宇宙論の研究は,将来的にも最も期待される手法のひとつとされ,大規模な観測計画が世界中で立案されている。
 本書の目的は,宇宙の大規模構造を用いた宇宙論の研究を解説することにある。最初に,現代宇宙論の現状や,いま研究されている未解決問題を概観し,同時に宇宙論の研究に用いられる基礎的な物理の原理を解説する。そして,宇宙の大規模構造の進化を記述するための理論的基礎を解説する。さらに,大規模構造形成における理論的な最前線の紹介として,摂動論的手法に基づいた最近の理論的進展を解説する。
 前半の章では基礎的なレベルから始めて,後半の章では多少高度な話題についても触れている。宇宙論の現状や研究の雰囲気をある程度詳しく概観するのにも適している。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【電子ブックへのリンク先】
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000027743
    学外からのアクセス方法は
    https://www.lib.muroran-it.ac.jp/searches/searches_eb.html#mel
    を参照してください。

  • 大学初年度の知識では理解できない。学部上級の知識が必要。一般相対論、統計力学(キュムラント展開)、数学的にはフーリエ展開などは必須である。

    しかし、宇宙の大規模構造について、最低限の知識でここまで解説してくれるのはありがたい。

    著者がこの分野の開拓者だけに読み応えは十分。未解決部分も含めて、一から十まで説明してくれている。

  • 請求記号 443.9/Ma 73

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

■松原 隆彦(マツバラ タカヒコ)
高エネルギー加速器研究機構、素粒子原子核研究所・教授。博士(理学)。京都大学理学部卒業。広島大学大学院博士課程修了。
東京大学、ジョンズホプキンス大学、名古屋大学などを経て現職。主な研究分野は宇宙論。
2012年度日本天文学会第17回林忠四郎賞受賞。
著書は『現代宇宙論』(東京大学出版会)、『宇宙に外側はあるか』(光文社新書)、『宇宙の誕生と終焉』(SBクリエイティブ)など多数。

「2020年 『なぜか宇宙はちょうどいい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松原隆彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×