チロヌップのきつね (きんのほしストーリー絵本)

  • 金の星社
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感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784323002316

感想・レビュー・書評

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  • 戦争は人間が勝手に起こしているのに、なぜ関係ない動物まで殺すのか。父親きつねもぼうやも殺されたのだろう。ちびこに寄り添い、母親も共に逝く…何度読んでも泣ける。本当に絵も良い名作。空の色と海の色だけは昔と少しも変わっていなかった、という最後の文、今の時代もそれが言えるのに。

  • 戦争への怒りを、人間のエゴによって野生動物の尊い命が失われることの悲しみを、やさしく繊細な絵に込めた作品だ。
    まず、絵がすばらしい。私が読んだ1972年版の絵本は、親狐や小狐以外はモノクロで描き、彼ら狐たちの生命力を表している。そしてなによりも狐たちの可愛らしいこと……!ちんまりとした小狐の姿、くりくりとした目をした親狐のやさしそうな表情、ふさふさの毛並み、どこをとっても愛らしさにあふれている。罠にかかった小狐を雪から守ろうとする親狐の包容力に涙が溢れてくる。
    伝わってくる、戦争への怒りが。エゴのために環境を破壊する人間の浅ましさが。同時に、この絵本のすばらしさは、それでもなお、良心を失わずにいる人間も描くことで、「共存」の可能性を提示している点にあるのではないだろうか。季節が移ろい、遺されたその場所に咲いた"小さな花"は願いであり、希望だ。
    『チロヌップのきつね』。これは作者が想像で描いた物語だ。私たちは想像することで、他者の痛みを、動物たちの痛みを思い描くことができる。そのことを忘れずにいてほしいと、そんな願いが伝わってくる。

  • 「そらのいろと、うみのいろだけは、むかしと
     すこしも かわっていなかった」

    最後に近付いて行くにつれて、うるうるして、泣いた。戦争はいけないという言葉は出て来ないのに、胸の奥の方から、じわじわと伝わってくる想いに感動した。(12分)#絵本 #絵本が好きな人と繋がりたい #チロヌップのきつね #たかはしひろゆき #金の星社

  • 読むのが本当に本当に辛い話です
    でも歯を食いしばっても、読まねばならないと読みました

    ゆうかんで強いおとうさんきつね
    優しくて愛情ふかいおかあさんきつね
    賢くてすばしっこいぼうやきつね
    甘えんぼでおっとりのちびこきつね
    そんなすてきなきつねの家族のお話です

    ちびこきつねが迷子になったところを、チロヌップに漁師の出稼ぎに来ているおじいさんとおばあさんが保護をしてあげて、つかの間一緒に暮らすシーンもとても優しい時間でした

    そのまま居られたら良かったのに、時代は太平洋戦争中で、チロヌップの島もおおぜいの兵士がやってきて、きつねたちを遊び半分に殺してしまうのです

    でもこれは、決して辛い童話ってだけではなく
    形や状況が違うけど、今でも世界のあちこちで発生している理不尽な、あってはならないことを、こんなことは断じてあっちゃダメなんだってことを、真っ直ぐに伝えてくれる作品なんだと感じました
    ジャーナリズム精神があふるる作品で、でも語り口は優しく、柔らかな絵もえもいわれぬ穏やかさで、あの辛い光景も、悲惨さとあわせて、おとうさんの優しさ、おかあさんの愛情を、強く強く表現されていました 
    読まなきゃいけない、そして読めて良かった作品になりました

  • ちょっとさびしいから星は4つにした。
    ちびこがかわいかった。それから、せんそうがはげしくなるとちょっとこわい。
    きつねがみんなしんじゃうのがさびしい。とくに、子どもが大人になれないで早くしんじゃうのがさびしい。
    おとうさんぎつねとぼうやぎつねは、何でうたれちゃったのかな。島ではたたかっていないのに、うつのはひどい。たたかっててもひどいのに、何でかな。へいたいはこわい。人間はやりたいほうだいしすぎだと思った。(小3)

  • きつねの親子の話は、いつもちょつともの悲しい・・・

  • きたキツネの親子の強い愛を感じる話だった。我が子を愛おしく思うキツネの親の行動に感動をした。久しぶりに絵本を読みながら涙をしてしまった。。。
    親子の絆の大切さを見直すのに一度、読んでみる事をお勧めするする一冊です。

  • チロヌップにすむきつねの親子。
    戦争という時代の中、きつねたちの生きる姿と人間の関わり・・・
    「戦争」というテーマではなく、「親子」という目線で読む方が自然かもしれませんが、きつねたちに関わる人間たちは、戦争という時代を切り放して考えることはできません。

    「戦争」というテーマを考えると少し難しいかとも思ったのですが、動物、親子、という観点から、子どもたちはしっかりと聞き入ってくれました。

  • 2009/6/4

  • 戦争が激しくなりだしたころ
    北の海にある
    チロヌップという、小さな島での
    出来事。

    真っ白な雪が
    降る頃
    キツネの子が
    2匹、生まれた。
    親キツネに大事に
    育てられる中、
    子ギツネたちは
    元気に育っていた。

    ある日、漁をしに
    おじいさんとおばあさんが
    この島にやってきた。

    子ギツネは、親ギツネたちと、
    はぐれてしまったのか
    丘の麓の、
    おじいさんとおばあさんのもとに
    やってきた。

    子ギツネは、おばあさんに
    かわいい赤いリボンを首に
    したもらい、
    おじいさんと海に漁に出たり
    おばあさんのお手伝いをしたり…。

    おじいさんとおばあさんが
    漁を終えて
    この島を離れる時が来た。
    子ギツネは
    山の親ギツネたちと
    また暮らし始めるのだが…。

    その頃、
    また新たな人間たちが
    この島にやって来た。
    今度は
    猟をしに…。

    子ギツネたちは…

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