ハッピーバースデー

  • 金の星社
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784323070568

作品紹介・あらすじ

「ああ、あすかなんて、本当に生まなきゃよかったなあ。」自分の思い通りに成長した長男に比べ、できの悪い娘あすかに容赦ない言葉を浴びせる母静代。しかし静代の見せかけの鎧は、職場の年若い上司なつきによって徐々に剥がされていく。愛に餓え、愛を求めて彷徨う母娘の再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 子供にも大人にも読んで欲しい本。
    子供でもわかりやすいように悪者?の言葉を際立たせて
    主人公達の立ち直りに感動を与えているきらいがあるが、伝えたいことがストレートに響いていてよかった。
    人間には個性があり、自由がある。たとえ親でもそれを踏み躙ることは許されない。幼児虐待やネグレクトの最近の若い親世代には特に読むことを推奨したい。

  • 子育てをしている大人、小学生4~6年生の
    子供達に読んで欲しいです。

    序盤から容赦なく娘・あすかに対する仕打ち、、、
    僕は心が痛かったです。
    自分がお腹を痛めた子供なのに、出来のいい子だけを
    贔屓する傲慢な姿勢、読み進めると母・静代には
    イライラしてました。
    (※僕だったら不良になってます(笑))

    読んでて思ったのは、物語の展開的に
    悪い事が発生して → 友達・兄弟・親が自らの過ちを
    己で理解し反省をする流れですが、
    その"自らの過ち"の部分で、読者にもそういった行動を
    してないか?気づかせてくれる内容だと思いました。
    実際に困っている人が読めば、簡単にはいかないと思うが、
    解決に導けるヒントを得られるかもしれない。

    僕も人と接する中で、色んな人を見てきて
    少々歪んだ性格が構築されているかもしれない(笑)
    娘・あすかの様な考え方を参考にし
    自分自身を見つめ直してみます。

    物語の終盤はタイトル通りの結びであり、
    とてつもなくハッピーエンド。心がホッコリしました。

  • 最後、泣けました。

  • ハッピーバースデーは、私が小学生の時から何度も読んでいるくらいに大好きな小説。初めて読んだ時は号泣してしまいずっとそのお話の渦にハマってしまった。何十年ぶりに読んでみて、自分も大人になり感じ方も変わった。家族関係、友達関係、いじめ問題、命とどう向き合うのか、今日の社会において非常に重要なことを訴えてくれる小説であると感じる。この本を読むと心が優しくなれて、自分も周りの人も大切にしようと思うことができる。小学生の時にこの本と出会ったことで自分を見つめ直すことができた。大人の人にも是非読んでもらいたいと思う。人間の弱い部分が綴られていて読んでいて心が痛くなる部分もあるが、それよりも読んだ後の気持ちの温かさをとても感じることができた。自分が行き詰まった時に読みたい1冊である。

  • 良書!
    これは素晴らしい!

    ぐっと引き付けて話さない話の展開も素晴らしいが、内容も実に道徳的で胸の奥にぐっとくるものがある。

    「愛情」って、こんなに大切なものだったのかと改めて認識させられた。

    じいちゃんのおかげで変わることが出来たあすか。その前向きさと清々しさには心をがっつりと捕まれた。
    最初から最後まで涙をながしっぱなしだった私。

    ラストは嗚咽が止まらず家族からは怪訝な目で見られてしまった。
    童心に返って、心から感動してしまった。

  • 母娘の関係だけじゃなく、兄弟・家族、
    そしていじめや命と死という、生きていく上での
    総ての事を勉強させてくれる1冊でした!
    読み始めてからかなり胸が苦しくなりました。
    主人公あすかを信じて助けてくれる祖父母の存在が温かい。
    それで自分を取り戻し、
    あすか自身も周りを引っ張る役割をするようになる。

    読んでいくとバイブルのように感銘する文章がある。
    例えば。。。

    「自分の側から見ているだけでは、物事の真理を見落とす。
    相手を信じること、許すことは、自分を大事にすることでもある」

    「時間は風と同じ。いつも流れていく。
    どんなに辛いことや悲しいことも、いつかは流れていく。
    過ぎた時間に囚われていると新しい時間を見失ってしまう」

    「心が乾いていては、生き方も拙くなるだろう。
    水も肥料も、心にはたっぷりと入れておくこと。
    それがいざという時に心の強さとなって、支えてくれる」

    「空は元気をくれる。心が空っぽになったと思ったら、空を見上げて何度も深呼吸しなさい」

    「人生に無駄な事などない。
    無駄と思われる事にもまた深い意味があるのだ。
    それが心の豊かさになる」

    全てあすかの為に祖父が言った言葉です。

  • 子どもの頃に読んでものすごく心を揺さぶられた本。
    読書感想文この本で書いた思い出があります。
    今もう一度読み直したい。

  • 虐待、不登校、いじめ...。過去の因果関係に苦しめられる人々...。構造的な背景と、そこに潜む愛憎、通い合う心...。小学校高学年から中学生ぐらいまでの層に読んで欲しいかな。もちろん大人もですけど...。以前に読んだ児童書の方には登場しないなつきさんがいい味だしてます。

  • とても感動した。

  •  冒頭から母と兄に酷い仕打ちを受ける主人公に衝撃を受ける。本書は小学校高学年の頃、国語の授業での読み聞かせで知った。全部は読んでくれなかったので、あすかの行く末が気になり図書館で借りて読んだことを思い出す。
     児童文学とは思えぬほど、ネグレクト、イジメ、障害、大好きな人との死別などこれでもかと詰め込まれている。大人向けだと、いじめられた少女がイジメの加害者になると、事態が改善されぬまま展開しそうだが、授業参観の形で自分達の力で解決したシーンが素敵だった。優しい祖父母と、早い時期に目覚めてくれた兄がいてくれて本当に良かった。

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