クローンドッグ

著者 :
  • 金の星社
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本棚登録 : 71
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784323074313

作品紹介・あらすじ

友人もおらずいじめにも遭い、飼い犬の希(のぞみ)を支えにしていた航(わたる)。希は人間から虐待を受け後脚がなかったが、不思議な包容力があり、やがて航にかけがえのない友人を与えてくれる。希の存在が大きくなればなるほど、五体満足な希の姿を切望していく航。やがて航は自由研究で、元の生き物とそっくりに蘇らせる技術があることを知る。

感想・レビュー・書評

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  • 装丁や文字の大きさから、児童書のつもりで手に取りました。
    たしかに序盤は、わかりやすく命の尊さや、相手を思い遣る気持ちなどを説く、小学3、4年から当たり障りなく読めるストーリー。

    道徳教材や、部分的には盲導犬関連の単元にも使えそうだなー、なんて思いながら読んでいたのですが…。
    それでも引っかかっていたのは、帯にあった「命のコピー」要素ですよね。
    児童書としては比較的攻めたテーマと思いながらも、結局「命は尊く、替えの効かないものだから、安易にコピーなんかしないことに決めた!」的な収め方でしょうと高を括っていましたよ。

    甘かった。もっと深い場所を掘ろうとする作品でした。
    道徳と倫理。倫理を踏みにじったことに対して、とてもリアルな形で天罰を受ける主人公像。想定していた年齢層には早すぎるかな?
    でも、大量生産された道徳を説く言葉に麻痺する前の、先入観のない心で、この終盤の展開を純粋に「気持ち悪い」と感じて欲しいとも思います。

    はらりと滑り落ちてしまった児童書感を、あわてて手繰り寄せたようなオチがあるのですがね。しかし、油断していただけに良い刺激を得られた一冊でした。

    著者が何冊か関連本を出していて、すでに有名な「捨て犬・未来」ちゃんが希のモデルだそうです。

  • 虐待され,捨てられていた子犬を拾ったことからぼくの周りは大きく変わりだした
    転校生やいじめっ子とも話をするようになる。
    盲導犬について調べていく中、クローンについて知る。
    なんて素晴らしい技術なんだ!
    ぼくは素晴らしいと思うけれど,友だちもお父さんもそうは思っていないみたい

    クローンドッグ
    命について考えさせられる一冊

  •  航が空き地で助けた子犬は、何者かによって後ろ足を切断されていた。
     航はその子犬を飼うことにし、希と名付けた。

     希を散歩に連れて行った公園で、クラスメイトの唯と勇輝に会った。希を介して仲良くなった3人は、夏休みの自由研究を一緒にやることにした。

     盲導犬について調べ始めた航たちは、クローンドッグのことを知った。そこで航が思いついたのが、希のクローンを作れば健康な足を持つ希に会えるのではないか、ということだった。

  • かけがえのない命。考えさせられる。

  • 作者の今西乃子さんは、児童向けの犬に関するノンフィクションをたくさん書いていらっしゃる方である。そんな作者が書くからこそ「クローンペット」という題材に説得力がもたらされていると感じる。中学年から高学年向け。

  • 実際にペットクローンビジネスが存在するということに衝撃を受けました。
    作者は物語というより、クローンの現実について伝える素材として作ったのかな。と考えると納得のいく一冊でした。

  • 命は一つ。
    姿はおなじでもやっぱり違う。
    どんなことをしても、全くおなじはできない。
    命のコピーはできない。

  • 最後に感動します。

  • 終盤、なんか気持ちが重くなってしまって
    読むのが苦痛だった。

    夢オチとはいえ、読後感はあまり良くなかった。

    クローン希と航が苦しむパラレルワールドが
    自分にとっては重すぎた。

  • 航はある時、後ろ足が切られて足首から下がない子犬を拾った。
    家族や友達とのもめごとを乗り越え、色々な人と協力することで犬の希との絆と、命の大切さを知ることができる一冊です。

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著者プロフィール

児童文学作家。(公財)日本動物愛護協会常任理事。著書『ドッグ・シェルター』(金の星社)で、第36回日本児童文学者協会新人賞を受賞。執筆の傍ら、動物愛護センターから引き取った愛犬・未来をテーマに、全国の小中学校を中心に「命の授業」(講演会)を展開。主な著書に、『犬たちをおくる日』(金の星社)をはじめ、累計45万部突破のロングセラー「捨て犬・未来」シリーズ『捨て犬・未来 命のメッセージ』『捨て犬・未来、しあわせの足あと』ほか(岩崎書店)、『捨て犬未来に教わった27の大切なこと』『いつかきっと笑顔になれる 捨て犬・未来15歳』(小社刊)など多数。

「2023年 『うちの犬(コ)が認知症になりまして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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