厨房で見る夢 在日ネパール人コックと家族の悲哀と希望

  • ぎょうせい
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784324111062

感想・レビュー・書評

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  • 興味深く、かつしんみりと読んだ。物事の裏側には必ず理由がある。料理を作って、はい終わりではない。母国以外で生きるには、資格を得るには相応の対価がいる。整っていない福祉。←この彼らに必要な福祉って、日本人の私たちには必要ないものばかり。苦難は想像するしかない。

    またコック本人だけではなく、そのご家族にも生活がある。パートナーの労働状況。多感な時期の子どもに強いられる負担。など。

    読み終わった後、いつも通る商店街が違った様相に映る。わかりやすく素晴らしい本だった…

    「メキシコ料理屋だけど、インド人・ネパール人のコックを起用するためにちまっとインド料理を出しているお店がある」の記載、…と思って引っかかる。

  • 学生時代、大学の近くに3軒インド・ネパール料理屋があり、よくカレーを食べに行っていた。
    3軒のうち2軒は、在学中に立て続けにオープンし、なんでだろうと不思議に思ってはいたものの、深く考えたことはなかった。

    本書を読んではじめて、ネパールの情勢や移住者の生活の有り様、そして所謂「呼び寄せビジネス」が存在することを知り、自分の身近なところで起きていることなのかもしれないとハッとした。
    日本に来たことを喜んでいる人たちがいる一方で、日本の制度が外国からの移住者にとって受け入れやすいとは言い難い。
    また、近年、技能実習制度の問題が少しずつ取り上げられているものの、コックのような在留資格「技能」については注目されていない。

    タンドールの窯で焼いた本格的なナンが食べられることを当たり前だと思わず、少なくとも、コックたちの生活に関心を持ち続けていきたい。

  • 研究書ではないけれど、日本でコックとして働く在日ネパール人の現状や社会背景についてまとめられており参考になった。以前、教えた留学生がレポートのテーマに筆者の書いたジャパンタイムスの記事を参考資料にしていたのを思い出した。すごい偶然。

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