心の哲学入門

著者 :
  • 勁草書房
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本棚登録 : 253
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326153923

作品紹介・あらすじ

本書は「心の哲学」の入門書であるが、それと同時に、「哲学」一般の入門書となることも目標としている。扱う問題領域は「心」に限定されてはいるが、「心」について哲学的に考えるとはどのようなことなのかを示すことによって、そもそも「哲学的に考える」とはどのようなことなのかを示した。まったくの初心者に向けて語る、初めての入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 心身問題、クオリア、表象、志向性…心の哲学を巡る概念は、一見分かりそうで分からないものが多いような気がします。
    分析哲学の本や分析哲学を使ったフィクションでは、軽い説明をしただけでこれらの概念が使われることがあり、そのたびにモヤモヤしていましたが、これですっきりしました。
    (本当は分析哲学の全体像を見渡すような入門書があればいいのですが。)

    本書は、教育的配慮からか、基本的なことをしつこいくらい丁寧に説明します。
    心の状態(信念、欲求、感情、知覚、感覚)の説明が、最初のほうにあるのはありがたかったです。特に哲学用語としての「信念」は、一般的な用例に引きずられて、慣れるまで違和感ありますので。
    また、かなりの頻度でQ&Aが差し込まれます。単に理論の裏返しにすぎない問いから
    、明確な答えがでないような問いまでありました。後者については、確実なのはどこまでか慎重に答えようとする姿勢が見られ、一人で読んでいるだけなのに演習に出ているような気持ちがしました。

  • 「心とは何か」から始まり、心の因果性、意識、志向性、合理性、認識に渡って論じられている。文体は平易だが、途中理解の難しい所もあった。参考文献はその説明もあって充実している。だが、この出版社の本が多い。その偏りが嫌な人もいると思う。個人的には、本文の説明の具体例にスマップのメンバーと思われる名前がたびたび出てきたのが抵抗を感じた。それでも、今の心の哲学の概略が分かる。各章にまとめと問題が設けられている。

    やはり、答えは出ない。しかし、心の哲学の入り口としては良書だと思う。参考文献で更にステップアップができる。コラムで哲学用語の説明もある。哲学の入門にもなるかも。入門書なので、本文は偏りがないように配慮されている。それでも著者の力が入っている所もある。心に興味のある私には良かった。

  • 2019/06/21

  • 読む。 近くの図書館にあるといいな

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著者プロフィール

金杉武司(かなすぎ・たけし)
1972年生まれ。哲学者。専門は分析哲学(英語圏の現代哲学)、心の哲学、メタ倫理学。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。高千穂大学人間科学部准教授などを経て、現在、國學院大學文学部教授。著書に『心の哲学入門』(勁草書房 2007年)、『解釈主義の心の哲学――合理性の観点から』(勁草書房2014年)、『心理学の哲学』(共著、北大路書房2002年)など。

「2022年 『哲学するってどんなこと?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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