- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326154135
作品紹介・あらすじ
功利主義と義務論の対立はいつ始まったのか?「功利」と「直観」をめぐる論争の歴史を通して英米倫理学の展開を整理し、現代的な課題を展望する本格的入門書。
感想・レビュー・書評
-
【書誌情報】
著者:児玉 聡
ジャンル:哲学・思想・倫理
出版年月:2010年11月
ISBN:978-4-326-15413-5
判型:4-6
ページ数:340
定価:3,520円(税込)
行為が人々に与える結果を重視する功利主義と、結果にかかわらず守るべき義務や倫理原則があるとする義務論。現代の英米倫理学でも大きな影響力を持つこの対立は、二〇世紀以前には功利主義と直観主義の対立として論じられていた。この構図を軸とすることで、近代から現代までの英米倫理学の歴史を整理し、現代的な課題を展望する!
〈https://www.keisoshobo.co.jp/book/b77275.html〉
【簡易目次】
はしがき [i-viii]
目次 [ix-xv]
Ⅰ 対立図式の成立
第一章 直観主義の成立
1 功利主義と直観主義の対立の始まり 003
2 ホッブズ主義の脅威 007
3 デカルトの直観かロックの感覚か 021
4 バトラーの良心とリードの常識道徳 031
第二章 ベンタムたちの攻撃
1 ベンタムの直観主義批判と功利主義 039
2 ペイリーとゴドウィン 051
3 功利主義に対する批判 058
第三章 第二世代の功利主義
1 スコットランド学派とケンブリッジ・モラリストの直観主義 063
2 ジョン・オースティン 068
3 ジェームズ・ミル 073
4 ジョン・スチュアート・ミル 076
Ⅱ 理論的展開
第四章 シジウィックとムーア──調停と破壊
1 調停者としてのシジウィック 089
2 破壊者としてのムーア 100
第五章 直観主義の逆襲──プリチャードとロス
1 プリチャードの説明拒否 114
2 ロスの一見自明な義務 117
3 功利主義と直観主義──中間のまとめ 121
4 「直観主義」から「義務論」へ 127
第六章 功利主義の新たな展開──規則功利主義と二層功利主義
1 ハロッドによる「革新」 136
2 規則功利主義と行為功利主義 140
3 ヘアの二層功利主義 149
4 思考実験を用いた功利主義批判 153
第七章 ロールズの方法論的革新
1 ロールズの正義論とその方法 163
2 功利主義者によるロールズ批判(1)──ヘア 170
3 功利主義者によるロールズ批判(2)──シンガー 173
4 倫理理論の基礎付け主義と整合説 177
Ⅲ 現代の論争
第八章 法哲学における論争
1 ウォルフェンデン報告 183
2 ハート・デブリン論争 190
3 功利主義と直観主義の論争との関連 202
第九章 生命倫理学における論争
1 ビーチャムとチルドレスの四原則と直観主義 216
2 生命倫理学における功利主義 222
3 功利主義的思考に対する批判 225
第一〇章 功利と直観の二元性──脳科学と心理学の知見から
1 特定個人の人命と統計的人命 231
2 経験的思考と分析的思考──思考の二重プロセスモデル 236
3 脳科学とトロリー問題 239
結語 245
注 [253-281]
あとがき(二〇一〇年一〇月 児玉聡) [283-286]
用語集 [29-36]
引用文献一覧 [11-28]
事項索引 [5-10]
人名索引 [1-4]詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
児玉先生、やさしいのですき。功利主義入門の方よりはむつかしいけどそれでもやさしみ溢れてる
-
よろしくお願いします。