アメリカのアジア戦略史 下: 建国期から21世紀まで

  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326351916

感想・レビュー・書評

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  •  ベトナム戦争からオバマ政権まで。上巻以上に馴染み深い期間だ。
     ベトナム戦争に対して著者は、米の大戦略や一貫した目標の不在を批判するが、同時に共産主義の脅威から1965年時点での介入は肯定。
     終章で著者は、対アジア大戦略を持つことの重要性を示唆。この点では、上巻のセオドア・ルーズベルトに続き下巻でニクソンに肯定的評価。その後の大統領らのアジア政策には、カーターには功罪相半ば、レーガンには対ソにつきやや肯定的といった評価。ブッシュ以降は政権が変わったとしても連続性が大きいとしている。
     上巻の時代よりアジア外交が複雑化しており、政策担当者の個性で左右される余地が小さくなっているのではないか、との読後感。東南アジア諸国や北朝鮮核問題の浮上、中国の大国化、経済や人権などのイシュー化。著者は「三次元チェス」との言葉を使う。上段は地域秩序の強化、中段は中国との安定的関係、下段は軍事力と戦闘態勢の確保、という意味だ。
     本書は2017年刊。著者はオバマ政権のアジア重視には肯定的だが、そのブレには否定的。ただ、トランプ政権を経た現在本書を読むと、オバマ政権以前はまだしも外交の一定の感覚が米の政策決定者に共有されていた時代だったように思う。更に言えば、著者が外交戦略、関与の重要性を説いても、米世論にはもはや通じない時代ではないかとも思うのだ。

  • 東2法経図・6F開架:319.5A/G82a/2/K

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著者プロフィール

米国コネチカット州生まれ。Utah State Universityで学位を収めた後、アメリカ軍事大学院で諜報を学び、修士課程をトップの成績で卒業。アメリカ陸軍航空電子工学スペシャリストを経て、現在アメリカ空軍インテリジェンス・オフィサー。諜報員として活躍する傍ら、言語病理学者としての研究を同時に積んでおり、語学の専門家としても活動中。空軍での階級は中尉。

「2015年 『ペンタゴン式 諜報員の英会話習得術 短期間で語学の達人になれる理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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