新版 ローマ法案内: 現代の法律家のために

著者 :
  • 勁草書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326403424

作品紹介・あらすじ

今日の法律学の土台をなすローマ法も、歴史的時間のなかで常に新しいローマ法像を獲得してきた。現在、大きな変化を必要していると認識する著者は、法のみならず政治やデモクラシー、文学や哲学、信用や労働等の認識の再点検を行って、新しいローマ法像へと向かう扉を開く。法学に留まらず、現代社会を捉え直すために必須の教養書。

感想・レビュー・書評

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  •  全然「案内」じゃないね。むしろ「迷宮」。
     ローマの歴史や法文化をある程度知ってて当然の前提で書かれてる。文章も主観が入り交じり、難解。ラテン語が言語のままで次々出てくるから、読んでいてわけがわからなくなる。人に読んで理解してもらう前提で書かれてない。
     俺の本で勉強するには努力と根気がいるよ、それでもついてこられる人には深みがわかるはず、って前提で書かれてるような気もする。まあ、それでも頑張って読むと、「占有」を基礎に今の民法の基本的な制度、概念が生まれたことはぼんやりとではあるが、少しはわかる。
     「案内」の表題から入門書だと勘違いしないように注意!

  • 何かおかしいと感じること(「おかしいものは、おかしい」byすが)、そこから問いを立てる、異なる国、時代をも題材に、彼ら彼女らがその問題をどう発見し、掘り下げ研ぎ澄まし、真剣に取り組んだか、どのようにして挫折したか、を探って欲しい。と木庭先生は呼びかける。
    デモクラシー、国際化、がもたらす課題にローマがどう取り組んだのか、私にはとりわけ興味深い。
    問題を飛ばして答の方ばかりを見ていては、社会に役立つ法律家、社会人、とはなり得ない。法、社会、政治の問題を解決してみたいと立ち上がり、深く考えることを厭わない人に読んで欲しい。難しいが、索引が充実していて助けになる。

  • まずもって難解。初学者のための本ではない。何とか読了はしたものの、どれだけ理解できているか・・・。勉強になったのは、現代の民法典にも通じる制度が古代ローマで成立していた点。占有権やら取得時効やら、それが2000年も前の時代に成立していなんて・・・本当に感動する。

  • 東2法経図・開架 322.32A/Ko11r//K

  • 著者:木庭 顕
    予価:3,400円+税
    出版年月日:2017/10/31
    ISBN:9784326403424
    版型:A5 240ページ

    今日の法律学の土台をなすローマ法も、歴史的時間のなかで常に新しいローマ法像を獲得してきた。現在、大きな変化を必要していると認識する著者は、法のみならず政治やデモクラシー、文学や哲学、信用や労働等の認識の再点検を行って、新しいローマ法像へと向かう扉を開く。法学に留まらず、現代社会を捉え直すために必須の教養書。
    http://www.keisoshobo.co.jp/smp/book/b313349.html

    【簡易目次】
    はしがき [i]
    目次 [ii-iv]

    序 001

    第1章 歴史的前提 005
     1-0
     1-1 政治
     1-2 都市と領域
     1-3 ローマにおける政治の成立
     1-4 ローマの政治制度、その骨格
     1-5 裁判ないし刑事司法制度
     1-6 都市の実現
     1-7 領域の組織

    第2章 民事法の原点 037
     2-0
     2-1 デモクラシーの原理
     2-2 ローマのデモクラシー
     2-3 占有
     2-4 民事訴訟
     2-5 取得時効
     2-6 消費貸借
     2-7 地役権、相隣関係、不法行為
     2-8 財産の金銭評価
     2-9 身分法

    第3章 契約法の基本原則 087
     3-0
     3-1 助走
     3-2 契約法を生み出した社会
     3-3 契約法の骨格
     3-4 売買
     3-5 委任
     3-6 組合
     3-7 寄託、銀行
     3-8 bonorum possessio
     3-9 嫁資(dos)、ususfructus、fiducia、そしてusucapioの付加的要件
     3-10 自由人の労働

    第4章 所有権概念の登場とその帰結 125
     4-0
     4-1 新しい現実
     4-2 占有概念の転換
     4-3 領域上の占有を売買する
     4-4 契約責任の変貌
     4-5 不法行為法の変化
     4-6 意思voluntas
     4-7 民事訴訟の変容
     4-8 争点決定litis contestatio
     4-9 刑事訴訟の新展開
     4-10 犯罪の新しい概念

    第5章 所有権に基づく信用の諸形態 175
     5-0
     5-1 locatio conductio
     5-2 質権
     5-3 債権信用
     5-4 condictio周辺の新動向
     5-5 保証
     5-6 特有財産 peculium
     5-7 身分法の変容

    補遺 205

    索引 211

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著者プロフィール

1951年、東京に生まれる。著書に、三部作『政治の成立』(1997)『デモクラシーの古典的基礎』(2003)『法存立の歴史的基盤』(2009、以上東京大学出版会)、『ローマ法案内──現代の法律家のために』(羽鳥書店、2010、[新版]勁草書房、2017)、『現代日本法へのカタバシス』(羽鳥書店、2011、[新版]みすず書房、2018)、『[笑うケースメソッド]現代日本民法の基礎を問う』(2015)『[笑うケースメソッド II]現代日本公法の基礎を問う』(2017、以上勁草書房)、『法学再入門 秘密の扉 民事法篇』(有斐閣、2016)、『憲法9条へのカタバシス』(みすず書房、2018)、『誰のために法は生まれた』(朝日出版社、2018)ほか。

「2021年 『人文主義の系譜 方法の探究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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