- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326602636
作品紹介・あらすじ
児童保護施設という制度は家族、児童をどう定義化してきたのか。浮浪児や孤児・捨児など社会的養護児童をめぐる枠組みの変容過程を、敗戦後から1970年代後半まで「家族」「母子関係」をめぐってメディアや医学において展開された議論のなかから描き出す。近代家族研究・児童福祉史研究に、新たな視点を提供する一書。
感想・レビュー・書評
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2021年4月期の展示本です。
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土屋敦『はじき出された子どもたち』勁草書房、読了。「子供を護れ」という問題は山積するが、その質はどう変わったのか。本書は「理想の家庭」像が子供をはじき出す変遷の経緯を描く「社会的養護児童と「社会的養護児童と『家庭』概念の歴史社会学」(副題)一冊。 http://www.keisoshobo.co.jp/book/b147064.html
間引きや人身売買など子供の問題は昔から存在する。高度経済成長以後、子供の数は減少したが、保護施設は減っていない。戦後の浮浪児から育児放棄の児童保護は、社会からの排除から家庭内での排除への「保護されるべき子ども」概念の変容を意味する。
たしかに「はじき出された子ども」たちを“護る”必要は存在する。しかし、理想とされる社会と家庭が「はじき出された」子供を生み出してきたのがその経緯であろう。「子供を護る」のは何のためか。重厚な論考に考えさせられるところが多い。