地域包括ケアと医療・ソーシャルワーク

著者 :
  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326701070

感想・レビュー・書評

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  • 本書は現政権下の医療・社会保障政策の最新動向を、地域包括ケアと医療改革およびソーシャルワークを中心とする福祉改革に焦点を当てて分析されたものである。医事新報などに初出されたものを加筆されたものを再録した論文集である。実証的な研究であり説得力があり、かつ章始めに本論を概略を記載されているので、読みやすい。最初に概略を説明されている部分が、あとで詳細に説明されるので、やや詳述がだぶる部分もある。すべての概略についてであるが、国民皆保険制度は制度の枠を超えて日本社会の統合を維持するための最後の砦になっている。財源論に関しては保険料と租税であり、どちらかのみの問題点を指摘。租税に関しては消費税のみに頼る危険視について論述。地域包括ケアはシステムではなく、ネットワークであること。在宅シフトで医療介護費の抑制はできないこと。近年の医療福祉改革がソーシャルワーカーにとって危機にも好機にもなっており、その主戦場は「地域」であること。2018年の診療報酬・介護報酬改定について、介護医療院の創設とロボット支援手術の加算が見送れられたことの意義。社会保障費の長期推計は名目額でなく、GDP比で行う必要性の説明と、それによると急騰はしないこと。厚生白書の「生活習慣病」と「社会保障と経済」の記述の歴史的変遷。日本と韓国の混合診療論争の違い。米国の日本医療に関する要求。多岐にわたる分析で複眼視的な分析、論述で今後の方向性について、色々な意味で勉強になった。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:498.13||N
    資料ID:95190471

  • 第二章で、ソーシャルワークと介護人材確保 が述べられていて、一番興味を惹かれました。

    これからは、ソーシャルワーカーの役割がとても大事!
    だけど、社会福祉士は医師や看護師と異なり、業務独占が認められていない。社会福祉士という「資格」とソーシャルワークという「機能」、ソーシャルワーカーという「職種」があるわけですね。
    こういうところに苦悩があるのかと。

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著者プロフィール

二木 立(にき りゅう) 1947年生。1972年、東京医科歯科大学医学部卒業。代々木病院リハビリテーション科科長・病棟医療部長、日本福祉大学教授・副学長、学長を経て現在、日本福祉大学名誉教授。著書:『保健・医療・福祉複合体』(医学書院、1988)、『医療経済・政策学の視点と研究方法』(勁草書房、2006)、『民主党政権の医療政策』(勁草書房、2011)、『TPPと医療の産業化』(勁草書房、2012)、『安倍政権の医療・社会保障改革』(勁草書房、2014)、『地域包括ケアと地域医療連携』(勁草書房、2015)、『地域包括ケアと福祉改革』(勁草書房、2017)、『医療経済・政策学の研究』(勁草書房、2018)、『コロナ危機後の医療・社会保障改革』(勁草書房、2020)等。

「2022年 『2020年代初頭の医療・社会保障』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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