- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784329020130
感想・レビュー・書評
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これ、すごいね。
説明しようとしたら一言で終わっちゃうの。
要するに(要約しなくてもだけど)じっくりみっちり、手をかえ品をかえて、ローソクの火ってすごいよね!と、まじめに語るのです。
まず第一章では最初は、なぜ自分がローソクの炎について語ろうと思ったかを語る。
そうして、第二章では炎のモチーフの古今東西を引き合いに出しながらそれについて語る。
第三章はなんと、炎の垂直性ですよ。まっすぐに伸びる炎のすごさだけが語られるのです!
続く第四章は、炎と植物の関連性について!もう、目の付け所が違います。なぜに樹木ですか?でも、そういったモチーフの作品があるのね。知らなかったけど。デモ読むうちに、確かに咲き誇る花と燃え盛る炎は、似ているような気にもなる。
むー。
最後はランプの章で、回想で美しく締めくくられる。
この発想と展開力に、なんだかぐらぐら。
でもそうだよね、落語の「死神」といい、月のウサギが自分を炎に投じて神様に食べてもらおうとしたり、まんじゅしゃげが燃えるようだと表現されたり。
1つのテーマでこんなにも膨らむ技量に、なんだかだまされたような、でもすっきりやられたような、奇妙な爽快感。
これは奇書であり、希書であり、すごいメソッド本なのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「孤独は、小さな光の恩恵によって具体的なものとなっている。焔は夢想家の孤独を照らし出し、思索する額を輝かせる。蝋燭は白紙のページの星である。」(22頁)
孤独な夢想家のための哲学そして詩学。 -
焔というあまりにも素敵なモチーフで、言葉の海にどっぷりと浸れる幸せな一冊。