江戸にいる私 (広済堂文庫―山田風太郎傑作大全) (廣済堂文庫 や 7-22 山田風太郎傑作大全 22)

著者 :
  • 廣済堂出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784331606582

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだ山田風太郎作品集の中で一番つまらなかった。
    山風の特徴的なエロス・チャンバラ・無常観が全くなく説教多め。とくに表題作は小説の体をしているがエッセイみたいな感じである。昭和を江戸時代と比較して批判をしていて現代人が読むものではない。

    明智太閤は相当良い。

  • 「明智太閤」「叛心十六歳」がよい。

  • 短篇集。

    表題作は、現代(田中首相のころ)の50代の男が、正月にふざけて和装にチョンマゲカツラをつけて家族の前に現れるも、大不評。冷たくあしらわれる。

    自己チューな妻、親を親とも思わぬ息子、家族崩壊。「昔の時代はよかった。親を敬い、秩序があった」と日本の家族の在り方を説教しながら酔い潰れた男が、ふと正気に戻るとそこには見慣れぬ風景が広がっていた。
    なぜか田沼時代にタイムスリップしていたのだ!

    という話。

    自分の家族やご近所さんも江戸人になっていて、一人だけ現代記憶のままの主人公は「急性アルコール中毒で錯乱している」と診断され、そのまま江戸時代で暮らします。
    戸惑いながらも、好奇心いっぱいで江戸の暮らしを体験していきます。

    現代の知識はあっても何かを作る技術もないし、時代を動かす力もないしで、タイムスリップしてもなにかを成し遂げるわけでもなく、ただ珍しがって傍観するだけの凡人主人公。とても共感できます。

    田沼時代と現代の意識の違いを比較してみると、意外と変わらない部分や(ワイロ政治とか)、逆に見習うべき部分を発見。当時の社会風刺になっていておもしろい。

    江戸の暮らしをのぞき見たい!と思う私にはツボでした。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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