いい医者 いい患者 いい老後: 「いのち」を見つめる二人旅

  • 佼成出版社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784333024506

作品紹介・あらすじ

永六輔と在宅ホスピス医・内藤いづみが語り合う、医療のこと、介護のこと、老後のこと、日本の未来のこと-。

感想・レビュー・書評

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  • 2010年7月13日 (火)
    鎌田實の一日一冊(71)
    『いい医者 いい患者 いい老後―「いのち」を見つめる二人旅』(永六輔、内藤いづみ共著、佼成出版社)

    抱腹絶倒。
    めちゃくちゃおもしろい。
    おすすめの長生きのコツがテーマなのに、永さんはどうすれば早く「未亡人」になれるかというコツを語る。

    1、糖分を増やす。
    2、塩分を多くする。
    3、脂肪分を多くする。
    4、アルコールを多くする。どんどん飲ませる。飲んで帰ってきたら、家でも迎え酒。
    5、孤独にさせる。家族で話していても、お父さんが入ってきたら、みんな黙っちゃう。
    6、無趣味。趣味があったら取り上げる。
    7、寝不足に追い込む。
    8、ストレスをためさせる。
    9、家族みんなで「お父さん、元気がないわね。顔色が悪いわね」と言いまくる。
    10、老化現象をみんなではやしたてる

    この冗談の10カ条で、みんなを笑わせた後に、本当に大切な10カ条を伝えてくれる。
    この切り替えしがすごい。
    いい老後のためにどうしたらいいか、見事に展開する。

    永さんと内藤さんの息はぴったり。

    ぼけとつっこみがときどき入れ替わり、楽しく、不思議な対談が続く。
    永さんが、内藤先生を大切に思っていることも伝わってくる。

    諏訪中央病院で行われたほろ酔い勉強会の内容も、収録されている。
    このときは、たいへんだった。
    会場に人が入れないくらい集まった。
    ドアをあけ、演者のまわりにもいすを置いた。
    いまだかつてないほど、盛況だった。

    この本のなかの、永さんのエッセイ、いい患者の条件10カ条はとてもおもしろい。
    ぜひ、本を買って読んでほしいので、ここではすべてを書かない。
    ぼくはあるとき、よい医者の10カ条というのを書いたが、そのパロディにもなっている。
    永さんらしい屈折した言い方をしがら、とても大切なことを述べている。

    その一つに、こんなのがある。
    「いい患者は奇跡を信じない」
    すごい言葉。その理由も書いてある。

    最後の10カ条目は、ギャフンといわされた。
    「いい患者は、医者がご臨終ですと言ったら、死んだふりをする」

    もう、大笑いだ。
    長生きのヒントが、いっぱいあふれている。
    このごろ、ちょっと笑いが少ない人は、ぜひ

  • ユーモアたっぷりの永さんと看取りのDr.内藤の講和集とエッセイ。
    ほのぼのとした雰囲気だけど 内容は、濃厚。
    淀川長治さんの談話には 納得。
    いい医者の10か条 こんな医者 いないよ。
    長生きするには、若くして 未亡人になること とは。。。

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著者プロフィール

1933年、東京都に生まれる。早稲田大学文学部中退。中学生の頃からNHKラジオに脚本の投稿を始め、大学在学中から放送の世界にかかわる。以降、テレビやラジオ番組の放送作家、作詞家、語り手、歌手などの幅広い方面で活躍中。TBSラジオ「誰かとどこかで」「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」は共に長寿番組として知られる。作詞家として世に送りだした曲には、「上を向いて歩こう」「黒い花びら」「こんにちは赤ちゃん」などの昭和を代表する名曲が多い。著書にはミリオンセラーの『大往生』(岩波新書)をはじめ、『生き方、六輔の。』(飛鳥新社)、『職人』『芸人』『伝言』(以上、岩波新書)、『あの世の妻へのラブレター』(中公文庫)などがある。

「2012年 『上を向いて歩こう 年をとると面白い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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